2024年9月6日
田中一村展が始まります。奄美大島とマングース 北岡技芳堂の絵画買取ブログ
孤高の画家、田中一村は晩年を鹿児島県の奄美大島に賭けた。
モチーフにする植物や鳥を徹底的に調べ、作品にふさわしい姿が見つかるまで写生を重ねて、自らの芸術の探究に生涯を捧げた画家です。
田中一村(たなか・いっそん/1908-1977)。の神童と称された幼年期から、終焉の地である奄美大島で描かれた最晩年の作品まで、その全貌をご紹介する大回顧展です。
世俗的な栄達とは無縁な中で、全身全霊をかけて「描くこと」に取り組んだ一村の生涯は、「不屈の情熱の軌跡」といえます。
自然を主題とする澄んだ光にあふれた絵画は、その情熱の結晶であり、静かで落ち着いた雰囲気のなかに、消えることのない、彼の魂の輝きをも宿しているかのようです。
奄美大島の田中一村記念美術館の所蔵品をはじめ、代表作を網羅する決定版であり、近年発見された資料を多数含む構成により、この稀にみる画家の真髄に迫り、「生きる糧」としての芸術の深みにふれていただこうとする試みです。
奄美の光 魂の絵画 田中一村展
「毎朝、峠に登り、猛毒のハブの恐怖も忘れて自然の中に身を置いていた。」(「日本のゴーギャン 田中一村伝)。
ハブの天敵にと奄美大島がマングースを入れたのは田中一村の死の2年後の1979年。
地元の南日本新聞が晩年の業績を発掘し、遺作展が開かれた頃です。
田中一村ブームで奄美大島を訪れ、ハブとマングースの対決ショーをみた人もいた事でしょう。だがマングースが捕食していたのは実はハブでなく、画家の愛した鳥類などの天然記念物だった。
私も子供の頃、テレビCMでコブラ対マングースの映像を見て興奮していたのを思い出します。
環境省は関係行政機関とも協議の上で、2024年9月3日(火)、奄美大島におけるマングースの根絶を宣言することとしました。
30年に及ぶ島の人々の奮闘は大変だった事でしょう。
導入当時はマングースが日中に活動し、夜行性のハプと相まみえる機会が乏しいことに人知が及ばなかった。人間の浅はかさ、自然の奥深さに感じ入る。
ちなみに奄夫大島では、ここ10年ほどハブによる死者がなく共生が進んでいる。
田中一村 本人写真
「自然の事物は必然性をもって存在し、必然の中に生命を保つ――。」
こんな哲学を田中一村が語る。
田中一村は「モチーフを十分に研究し、本質をつかめば、大胆にデフォルメしても生命力を失わず、むしろ生き生きする」との信念で描いた。
9月11日は一村忌、9月19日には東京上野で田中一村展が東京都美術館で始まります。
皆様の一度美術館に行かれてみてはいかがでしょうか。
田中一村の絵画の売却を検討されておりましたら是非ともご連絡ください。
田中一村の評価のポイント
独自の自然描写
田中一村の代表作は奄美大島の豊かな自然を描いたものが多く、南国の植物や鳥、昆虫などのモチーフが緻密かつ力強く表現されています。彼の作品は写実的でありながらも幻想的な要素を持ち、独特の色彩感覚が称賛されています。
日本画と西洋画の融合
彼は日本画の伝統的な技法を守りながらも、西洋の写実主義の影響を受けました。この二つの異なるスタイルを見事に融合させた点が、彼の作品のユニークさを際立たせています。
晩年の再評価
田中一村は生前にはほとんど無名でした、死後にその才能が再評価されました。現在では高い芸術的価値を持つ画家とされています。彼の作品は、特に自然の静寂と生命の力強さを表現しており、その美的価値は時代を超えて支持されています。
スピリチュアルな要素
田中一村の絵画はただの自然描写にとどまらず、自然に対する畏敬の念や精神性を感じさせます。このため、彼の作品は深い精神的なメッセージを持つとも評価されています。
※田中一村の作品は、近年美術館などで展示される機会が増えており、その独創的なアプローチと自然に対する深い洞察が高く評価されています。
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