2025年9月20日
奈良美智とロックとアート
2025年、米国タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた現代アーティストの奈良美智(1959〜)。青森に生まれた少年が絵を描き始めてから40年あまり。世界的な画家となった彼の作品が、人を惹きつける力は年々強まっているように感じます。なぜ彼の作品がここまで人気となったのか、作品に込められた想いから読み解いていきます。
■子どものまなざしは何を問う
奈良美智が生まれた青森県には、米軍三沢基地があります。60年代から70年代にかけての少年時代にカギっ子だった奈良は、留守番の間よく米軍人向けラジオ放送(FEN)を聴いていたそうです。小学生の頃から洋楽に親しみ、中学生に入ってからはロックミュージックに夢中になったといいます。ビートルズやローリング・ストーンズ、セックスピストルズ、ボブ・ディランとともに育ち、ロックは奈良の心の奥に根ざすようになりました。
奈良の作品に多く見られる「大きな目で挑戦的ににらみつける子どもの姿」は、ロックが持つ反骨精神を表しているとされています。アトリエではロックを爆音で鳴らし、絵画制作を「ジャムセッションのようなもの」と話す奈良。作品名に「Too Young to Die」「Fucking Politics」などのロックを想起させるフレーズをつけるなど、彼の作品を語る際にロックとの関係性を欠くことはできません。
タイム詩上でステラ・マッカートニーは奈良について以下のコメントを寄せています。「作品を見れば、彼を理解し、感じるはずです。ロックンロールへの愛を、そして子どもの目を通して彼がどのように世界を見ているのかを。なぜ大人たちは平和ではなく戦争を選ぶのか、なぜ自然との調和ではなく破壊を選ぶのか。そう問いかけるまなざしです」と。
自由を奪う体制や権威への抵抗、古くなった価値観やルールの破壊、マイノリティの代弁など、奈良の作品に一貫して流れるロックンロールスピリッツが人気の要因の一つであることは間違いありません。ちなみに、ステラ・マッカートニーは米国のファッションデザイナーで、ビートルズのポール・マッカートニーの娘です。これまでに何度か奈良とのコラボアイテムを発表しており、彼のファンであることを明言しています。
奈良美智 十星
ボードに貼り付けられたジュートに描かれたアクリル画
裏面に署名、タイトル、2014年の日付が記されている
180.5 x 160 cm。71 x 63 インチ。
■アートとロックの共通点
実はロックミュージックと現代アートは切っても切れない関係にあります。両者とも20世紀半ばに「既存の権威や価値観への挑戦」という動機から始まっており、根底に流れる美学がよく似ているのです。そんな相性の良さもあって、1960年代以降は直接的な接点を持ち始めます。
例えば、米国のポップ・アーティストであるアンディ・ウォーホルは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドというロックバンドをプロデュースし、アルバムジャケットを自らデザインするなど、トータルなアート表現を目指しました。そのほか、エルヴィス・プレスリーやミック・ジャガーなどのロックアイコンをモチーフにした作品なども多く制作しています。
また、ビートルズのジャケットデザインをポップアートの先駆者的存在であるリチャード・ハミルトンが手がけるなど、ロック関連アイテムのグラフィックデザインはアート実験の場となりました。そのほかにもライブパフォーマンスは舞台芸術を含む総合表現と化し、ミュージシャンが身にまとう衣装を当時のトップデザイナーが直接手がけるなど、ロックと現代アートは相互に刺激し合って、新しい表現のあり方を開拓してきました。奈良美智もロックとアートとの間に大きな架け橋を渡した一人といえます。
■高額で取引される奈良作品
タイム誌の評価を待たずとも、奈良の世界的人気はここ数年目を見張るものがあります。2000年に34億円で落札された「Knife Behind Back」を筆頭に、その価格は高騰を続けています。アジアや欧米で日本のポップカルチャーや現代アートへの関心が高まっていること、メディアや展覧会などの露出が増加していることなどの要因が挙げられますが、何よりも作品が放つエネルギーが今の時代に特に響くということでしょう。奈良はアクリル画やペン画、リトグラフ、シルクスクリーンからオブジェなどの立体作品までを手がけており、当ギャラリーではそれらすべてを査定・買受しています。
■奈良美智の作品もそれ以外も 骨董・アートの高価買取は北岡技芳堂へ
北岡技芳堂では骨董品の他にも絵画や茶道具、貴金属、趣味のコレクションなど、さまざまなジャンルの品物を買受しております。ここ名古屋の地で長年にわたり取引を重ねてきた実績をベースに、多種多様なニーズに対応できる販売チャネルをもつため、あらゆる骨董品の高価買取を実現しています。
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記事監修:北岡淳(北岡技芳堂 代表)
初代である祖父が掛け軸の表具師を生業としており、幼い頃から美術品や骨董品に親しむ。その後京都での修行を経て、3代目として北岡技芳堂を継承。2006年に名古屋大須にギャラリーを構え、幅広い骨董品や美術品を取り扱いながらその鑑定眼を磨いてきた。
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骨董品の買取【北岡技芳堂 名古屋店】
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