趙少昴（ちょうしょうこう／Chao Shao-an、1899-1983頃とされています）は、20世紀における中国の画壇でひときわ際立つ存在で、嶺南画派第二世代の代表作家の一人として高い評価を受けています。彼は広東出身であり、嶺南派の革新精神を体現する画家として、美術界に大きな影響を与えました。

若くして嶺南画派の創始者である高奇峰に師事し、伝統的な中国画の枠を踏まえながらも、西洋や日本の技法を柔軟に取り込むことに積極的でした。彼の画風は、花鳥や昆虫、人物、獣、さらには山水にも至るまで題材が幅広く、色彩は鮮やかに、描写には透明感と躍動感があふれ、生き生きとした命の息吹を感じさせます。

趙少昴の作品は、1920年代から国際的にも評価されており、1930年に開催されたベルギー万国博覧会では金牌を受賞、広州に「嶺南藝苑」を創設するなどアーティストとしてだけでなく教育者としても活動しました。また、第二次世界大戦中に香港、マカオ、重慶、広州などを行動範囲とし、各地で個展・出展を重ね、広く中国国内外にその名を知られました。

彼は第二世代嶺南派の四大画家（黎雄才、関山月、楊善深とともに）に数えられ、「筆墨当随時代」「古為今用、洋為中用」といった理念の具現者であり、中国画の近代化に大きく貢献しました。