2012年4月28日
あっぱれ! 竹内栖鳳先生
以前から日本画の竹内栖鳳は水墨画が近代日本画家の中で別格に上手いな~~ と思っておりました。
最近仕入れたこの鴉の掛軸は、鴉の部分を最初薄墨を塗りそれから濃い墨を塗っていますがそれだけで鴉の形になっているではありませんか!
目の部分や、羽の部分やくちばしの部分など観ても到底水墨で描かれたとは思えないです。
また、シッポなんかもあっさり描いて、羽なので「軽い」というのを筆さばきで表現しています。
それも獲物を狙うような鳥の構図が素晴らしいです!
何か、胸を張って、もっと高みを、上を目指す様な姿ですね。
落款、サインですが栖鳳先生の描かれた時代が分かりますがちょうど脂が乗り切った中年の栖鳳先生を感じます。
晩年、最後の昭和八年だったと思いますが舟の船首に止まってうつむいている鴉を描いていますが擬人化して人生の終わりを表している様な味わいの深い傑作を思い出しました。
カラスは、今では縁起が悪いという人もいますが、古来、吉兆を示す鳥であった。神武天皇の東征の際には、3本足のカラス「八咫烏(やたがらす)」が松明を掲げ導いたという神話がある。
古来から世界各地で「太陽の使い」や「神の使い」としてあがめられてきた生き物でもある。古代には世界各地で朝日や夕日など太陽に向かってるように見えるカラスが飛ぶ姿を目にした当時の人々がその性質と太陽と結びつけ、神聖視されたという説がある。
カラスなど肉食性の鳥類が天国へ魂を運ぶ、死の穢(けが)れを祓(はら)ってくれる、あるいは神の御使いであるなどの理由で神聖視されたという説もある。
墨だけでこれだけの技術、表現、近代日本画家でナンバー1です。
下に柿の枝ぶりや柿の実や葉っぱも一筆、二筆でさっと描かれております。
全体の写真はお見せ出来ませんでしたが当店では見ていただく事が出来ます。
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