2026年2月18日

竹久夢二の最高傑作「黒船屋」とは? 作品の特徴・価値・買取相場を鑑定人が解説

こんにちは。北岡技芳堂代表、鑑定人の北岡淳です。

色白のすらりとした肢体としなやかな所作、表情は物憂げでせつなく、どこか儚げな印象。そんな「夢二式美人」で知られるのが、大正ロマンを象徴する画家・竹久夢二(1884〜1934年)です。没後100年近く経った現在でも高い人気を誇り、彼の作品は国内外のコレクターから注目を集めています。

本稿では鑑定人の立場から、夢二の略歴、作品の特徴、市場価値、そして売却を検討される際のポイントまでを分かりやすく解説していきます。

 

■芸術家でありデザイナーでもある|竹久夢二の略歴

竹久夢二は1884年、岡山県邑久郡(現在の瀬戸内市)に生まれました。本名は竹久茂次郎。少年期から絵や詩に親しみ、20代で上京すると雑誌の挿絵やコマ絵の仕事で頭角を現します。都市部で消費生活が拡大する中、産業デザインなど大衆芸術が花開く時代の空気を鋭敏に感じ取り、若者の感性に響く作品で人気を博しました。

彼の活動領域は幅広く、一般的に知られる日本画、油絵、水彩画などの肉筆画にとどまりません。書籍の装丁や挿絵、絵はがきなど印刷媒体向けのイラストレーションおよびグラフィックデザインから、詩・歌謡・童謡の創作までをも手がけています。いわば芸術家とデザイナー両面の顔を持つマルチクリエイターの先駆け的存在であり、アンディ・ウォーホル同様、アートと大衆とをつなげる橋渡し役を担った一人といえるでしょう。

1910年代には美人画をメインとした作風が確立され、いわゆる「夢二式美人」が流行語となるほどの社会的影響力を持ちました。一方で私生活においては多くの女性と浮き名を流し、別離の際の刃傷沙汰や交際相手の自殺未遂など、スキャンダラスな生き様が話題を呼びました。晩年には憧れていたヨーロッパやアメリカを巡り、西洋美術の吸収にも意欲を示しましたが、帰国後間もない1934年、結核により49歳でその生涯を閉じました。

中央画壇に憧れ続けた夢路でしたが、最後までその思いは受け入れられず、終生、在野の大衆画家として活動を展開しました。早逝のため活動期間はそれほど長くないものの、残した作品の数は膨大です。現在でも大正期を代表する芸術家として国内外での再評価が進んでいる夢二の人気は衰えることを知らず、21世紀に入ってからも画集や詩文集などの出版や、展覧会などのイベント開催が途絶えることなく続いています。

 

 

 

竹久夢二 黒船屋

竹久夢二 黒船屋

 

 

■伝統的な美人画と西洋美術の融合|作品の特徴と代表作

日本画(紙本着色・墨画)から水彩画、油彩画、ペン画、木版画、さらには商業印刷物のデザインに至るまで幅広く手がけた夢二。日本画の伝統的な技法をベースにしつつ、詩情豊かなモチーフ、カラフルでモダンなデザインを取り入れることで、和洋折衷の「大正ロマン」を体現しました。

彼の作品を語るうえで欠かせないのが「夢二式美人」と呼ばれる独特の女性像です。代表的なモチーフとして着物姿の女性が物思いに沈む姿や、恋文を手に佇む構図、雨や夜を背景にした情緒的な場面などが挙げられ、墨線を活かした輪郭と淡い彩色の対比が特徴的です。

色白のうりざね顔、伏し目がちの大きな瞳、なだらかな肩の線、簡潔な全身の輪郭。艶やかでありながらもどこか寂しげで、異国情緒漂う雰囲気をまとっています。こうした独自のタッチで浮世絵の昔から続く「美人画」に新風を吹き込んだ夢二の作品が、当時の若者たちの心を掴み一躍人気作家となったのです。

数ある作品の中でも最高傑作とされているのが、「黒船屋」(1919年)です。有名な作品ですので、見たことのある方も多いと思います。1918年ごろ、最愛の女性であった笠井彦乃が結核に罹ったことにより、別れを選択せざるを得ない状況に・・・。悲しみと失意のどん底にあった夢二でしたが、16歳のお葉という女性との出会いにより創作意欲を取り戻します。黒船屋で猫を抱く女性は、お葉をモデルにしながらも、忘れ難い彦乃への思いが投影されている作品です(この絵の完成直後、彦乃は25歳でこの世を去ります)。画風の面ではフォービズムで知られるオランダ人画家・キース・ヴァン・ドンゲン(1877〜1968年)の「黒猫を抱く女」からインスピレーションを得たとされており、日本の伝統美と西洋美術の融合によって新たな表現を切り拓いた作品といえます。

ちなみにこの「黒船屋」は、2026年10月にはじまる東京国立近代美術館(MOMAT)での展覧会で展示された後、静岡市美術館、大阪中之島美術館での巡回が予定されているとのこと。「見てみたい!」という方は、アート関連のイベント情報をチェックしてみてくださいね。

 

■竹久夢二の作品は高く売れる?市場価値と評価の考え方

非常に人気の高い作家であるため、肉筆画だけでなく表紙絵やポスター、絵葉書などの作品でも高額な取引が期待できます。ただ、市場での評価は作品の種別によって大きく異なり、一点物の肉筆画はやはり評価が高く、保存状態や題材次第では驚くほどの高額になることも。複製された木版画は比較的入手しやすいものの、初摺りで保存状態の良いもの、代表的図柄の作品は安定した需要があります。多くのコレクターが存在することから、雑誌の挿絵や書籍装丁の原画、直筆の詩稿などはその資料的価値の高さにより、相応の高値がつくこともあるでしょう。

人気作家の宿命ではありますが、後年の復刻版や模倣作も多く出回っており、オリジナルかどうかの判断が価値を左右する大きなポイントになります。

価値を左右する要素は、

◎肉筆かどうか、オリジナルかどうか

◎本人のサイン・落款の有無

◎保存状態(シミ、退色、破れの有無)

◎作品の来歴

◎美術的評価・人気

といった点です。ご自宅で保管されている場合は、直射日光や湿気を避け、できるだけ触らず現状を保ったままご相談いただくことをお勧めします。

 

■竹久夢二の買取・鑑定は専門店へ

竹久夢二作品の売却をご検討の際は、ぜひ北岡技芳堂にご相談ください。当店では、鑑定人である私自身が最初から直接お品を拝見し、根拠を示しながら評価をご説明することを何より大切にしています。

夢二の作品は人気が高い分、評価の幅も広く、専門的判断が不可欠です。名古屋で竹久夢二作品の鑑定・買取をご検討の際は、どうぞお気軽に北岡技芳堂へお声がけください。これまで多くの作家の美術品を鑑定してきた私が、一点一点と誠実に向き合い、その価値を正しく見極めるお手伝いをいたします。

 

◎鑑定人プロフィール

北岡淳(北岡技芳堂 代表)

初代である祖父は掛け軸の表具師を生業としていたため、幼い頃から美術品や骨董品に親しむ。その後京都での修行を経て、3代目として北岡技芳堂を継承。2006年に名古屋大須にギャラリーを構え、幅広い骨董品や美術品を取り扱いながらその鑑定眼を磨いてきた。

 

**************************************

 

弊店は販売をする店舗だからこそあらゆる骨董品が高価買取を可能にします。

 

美術品の売却をご検討なさっているお客様や、ご実家のお片付けや相続などでご整理をされているお客様のご相談を賜ります。

 

どうしたら良いか分からなかったり、ご売却を迷われている方がが多いと思いますが、どのようなことでも北岡技芳堂にお任せください。

 

裁判所にも有効な書類を作成させていただく事も出来ます。

 

北岡技芳堂では骨董品の他にも、絵画や貴金属、宝石、趣味のコレクションなど様々なジャンルのものを買受しております。

 

出張買取も行っております。愛知県、三重県、岐阜県、静岡県その他の県へも出張させていただきます。

 

まずは、お電話にてお気軽にお問い合わせくださいませ。

 

骨董品の買取【北岡技芳堂 名古屋店】

 

愛知県名古屋市中区門前町2-10

 

電話052(251)5515

 

営業10:00-18:00

最近のブログ

月別アーカイブ

ツイッター facebook インスタグラム

電話でお問い合わせ

0120-853-860

フリーダイヤル受付時間

月曜日〜土曜日
10:00〜18:00

電話でお問い合わせ 0120-853-860

受付時間
月〜土曜日 10:00〜18:00
(受付時間 10:00〜18:00)

無料LINE査定 無料Web査定