2025年5月28日

掛軸の魅力について詳しく説明します。掛軸買取コラム8

掛軸は、日本の伝統的な美術品であり、ほとんどの人が掛軸の存在は知っていることでしょう。

しかし、具体的に掛軸とはどういったものなのか、意味や目的を知っている人は意外と少ないと思います。

そこで今回コラムでは、定義、歴史、構造、種類など、掛軸について幅広い知識・魅力をご説明いたします。

 

 

掛軸の魅力

掛軸の魅力

 

 

掛軸とは

 

掛軸とは、書画(筆で書かれた文字=書や絵画=画)を、布や紙で装丁し、さらに竹や木の軸、吊り下げ用の掛け緒(ひも)を取り付け、壁に掛けて鑑賞するための美術品を指します。



室内装飾としてだけでなく、書画の内容によっては、季節感を演出したり、祝賀の席を彩るなど、多彩な場面で用いられています。

 

 

掛軸の起源と歴史

 

日本における掛軸の起源は、飛鳥時代にまで遡ります。この頃、中国から伝来した仏教と共に仏画の掛軸が伝わりました。ただし、当時はまだ現在のように壁に掛けて使用する形式ではありませんでした。



今日私たちが知る掛軸の形態が整ったのは、平安時代に入ってからのことです。仏教の影響を受けつつ、日本独自の美意識や装飾技法が加わり、独自の様式が発展しました。当初は主に仏画を飾る目的で、寺院や貴族社会に限られて使用され、庶民には広まりませんでした。



その後、鎌倉時代に広まった水墨画や、江戸時代に人気を博した浮世絵など、書画の発展に合わせて掛軸も進化を遂げ、現代に続く形式が確立されたのです。

 

 

掛軸の種類と特徴

 

 

仏壇掛け



仏壇内に掛けて礼拝の対象とする掛軸です。一般的に「本尊」と「両脇侍(左右の脇侍)」の三幅一組で飾られます。仏像を置く代わりに、より手軽に信仰を表すために用いられます。

 

床掛け



床の間に掛ける掛軸で、神聖な空間に飾ることで運気を高める意味が込められています。季節ごとに掛け替えることが習わしで、四季の移ろいを室内に取り入れる役割も果たします。

 

茶掛



茶室に飾るための掛軸で、茶道の重要な道具のひとつ。主に禅語などの書が用いられ、絵画は少数派です。一般の掛軸よりも細身に作られているのが特徴です。

 

 

掛軸の題材別分類と特徴

 

山水画



山や川、滝など自然の景観を描いたもの。特に富士山を題材にした掛軸は人気が高く、海外でも高い評価を得ています。

 

人物画(肖像画)



歴史上の武将や高僧などを描いた掛軸で、人物の偉業や精神を讃える意図があります。

 

浮世絵画



江戸時代の庶民文化を反映した浮世絵を掛軸に仕立てたもの。美人画、歌舞伎役者、風景画などが多く、現在も高い芸術的価値があります。

 

花鳥画



花や鳥、虫や草木を描いた掛軸。子孫繁栄や長寿、立身出世などの吉祥を象徴するモチーフが選ばれます。

 

動物画



虎や龍など力強い動物を描いた掛軸。魔除けや運気上昇を願う意味を込めて飾られます。

 

神仏画



神事や仏事のために作られた掛軸。神々(七福神、天神)や仏菩薩が題材となっています。

 

節句掛け



桃の節句や端午の節句など、年中行事に合わせて飾る掛軸。雛人形や兜、虎などが描かれます。

 

祝儀掛け



結婚式や元旦など慶事の際に用いる掛軸で、松竹梅、鶴亀、旭日、高砂といった縁起の良い絵柄が描かれます。

 

 

掛軸の表装について

 

掛軸は、作品に応じて異なる表装方法が施されます。この「仕立て」のことを「表装」と呼びます。ここでは代表的な2種をご紹介します。

 

大和表装



日本独自の伝統的な表装方法で、掛軸の主流となっています。「真・行・草」という格付けがあり、格式に応じた様式が選ばれます。

 

文人表装



中国・明代に流行した表装様式が元となっており、書画の両方に適用されます。特に漢詩や南画などには、「丸表装」や「明朝表装」が好んで使われます。

 

 

掛軸の構造と各部名称

 

掛軸は、多くの部材によって構成されます。以下に代表的な部分をまとめます。

 

本紙(ほんし)



書画が直接描かれた部分。縦長なら「堅物」、横長なら「横物」と呼ばれます。

本紙の素材により以下のように分類されます。

 

  • 絹本(けんぽん):絹製

  • 絖本(こうほん):光沢のある絹製

  • 紙本(しほん):紙製

 

一文字(いちもんじ)



本紙上下に配置された帯状の布。上部を「上一文字」、下部を「下一文字」と呼び、高級な金襴・銀欄が使用されます。

 

中廻し(ちゅうまわし)/中縁(ちゅうべり)



本紙や一文字の周囲に配される布部分。掛軸全体の印象を左右するため、作品や季節に合わせた裂地が選ばれます。

 

天地(てんち)



中廻しの上下に位置する布地。上を「天」、下を「地」と呼び、無地が基本ですが、落ち着いた柄入りもあります。

 

風帯(ふうたい)



天の部分から下がる細い二本の帯。ツバメ除けの意味もあり、「驚燕(きょうえん)」とも呼ばれます。

 

掛け緒(かけお)



掛軸を吊るすための紐で、「軸紐」とも言います。

 

鐶(かん)



掛け緒を通し、壁に固定するための金具部分。「江戸鐶」と「足摺鐶」に大別されます。

 

軸棒(じくぼう)



掛軸の下端にある棒。巻き上げるため、また重しの役割も果たします。通常は杉材が用いられます。

 

軸先(じくさき)



軸棒の両端部分。象牙や陶磁器、鹿角などで装飾されることが多いです。

 

 

まとめ

 

掛軸とは、日本の伝統美術を象徴する存在であり、書や画を壁に掛けて鑑賞するためのものです。用途に応じて仏壇掛け・茶掛・床掛けに、題材によって祝儀掛け・節句掛け・山水画などに分類されます。



掛軸の起源は中国の仏画にあり、長い歴史の中で日本独自の発展を遂げ、今日に受け継がれています。



また、掛軸は多様な部位から成り、それぞれの表装技法によって趣が異なります。

 

このコラムが、日本文化に息づく掛軸の魅力を知るきっかけとなれば幸いです。

 

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