2025年5月18日

複製画は売れる。その定義と買取業界の市場価値 絵画買取コラム8

複製画と聞くと、みなさんはどのようなイメージを持ちますか?複製された作品には価値がないと思っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、複製画にはその目的や作成手法が複数あり、存在するには理由があります。買取業者から意外な値段で買い取ってもらえるケースが実際に存在します。

このコラムでは、複製画についての理解を深めていただくため、オリジナル原画との違いや市場価値、保管方法などを詳しく説明します。

 

 

複製画です。

複製画です

 

 

複製画とは?基礎知識から価値まで
【絵画買取にも役立つポイント】

 

複製画と聞くと、みなさんはどんなイメージを持つでしょうか?「コピーされた作品なんて価値がないのでは?」と思う方もいるかもしれませんね。しかし実際には、複製画にもさまざまな目的や作成手法があり、中には絵画買取のプロから意外な高値で買い取ってもらえるケースもあるんです。この記事では、複製画についての基礎知識から、オリジナルの原画との違い、複製画ならではの技法や価値の見極め方、さらには購入・販売(売却)方法や保管方法まで、やさしく解説していきます。絵画買取に興味がある方もぜひ参考にしてみてくださいね。

 

 

複製画の基礎知識

 

まずは複製画とは何かを押さえておきましょう。複製画とは、作家の合意のもとでオリジナルの絵画(原画)を模写したり、印刷技術を使って再現した作品のことです。目的としては、オリジナルの美しさや魅力を多くの人に届けるために作られることが多いですね。

複製画の作り方にはいくつか種類があります。一般的なのは印刷技術を使う方法で、専用の高品質プリンターによって細部の色やタッチまで再現します。また、中には職人や画家が手描きで模写して作る複製画もあります。熟練した画家がオリジナル作品を丁寧に真似て描くことで、原画に近いタッチや質感が表現されていることもあります。

 

複製画と原画の違い

 

では、複製画と元になる原画では何がどう違うのでしょうか?大きく 制作過程目的・価格 の面で違いがあります。それぞれ簡単に見てみましょう。

 

  • 制作過程の違い

    • 原画:ゼロから画家が創造し描いた唯一無二の作品です。画家のアイデアや感情が直接込められており、その人ならではのスタイルや意図が色濃く反映されています。

    • 複製画:既にある名画など原画をもとに作られます。オリジナルの意図や雰囲気を忠実に再現することが求められ、作家の監修のもと版画工房や印刷所で制作されることが多いです。

  • 目的と価格の違い

    • 原画:基本的に一点ものなのでコレクターズアイテムとして価値が非常に高く、取引価格も高額になりがちです。世界に1つしかない絵ですから、絵画買取市場でも特別な存在ですね。

    • 複製画:壁を飾るインテリア用途や贈り物として人気です。オリジナル作品の魅力を手の届く価格で楽しめるように作られているので、市場価格も比較的求めやすい設定になっています。

 

このように、複製画と原画では制作方法から価値、使われ方まで大きく異なります。それぞれの特徴を理解することで、「複製画だからこそ」の楽しみ方や扱い方も見えてきますよ。

 

複製画の技法とは

 

複製画にはどんな**技法(複製の方法)**があるのでしょうか?ここでは代表的な複製画の制作技法を紹介します。手描きによる再現以外にも、さまざまな版画や印刷の技術が活用されています。

 

 

リトグラフ(石版画)

 

リトグラフは石版画とも呼ばれる伝統的な版画技法です。19世紀初頭に発明され、多くの芸術家に利用されてきました。平らな石(石灰石)に油分を含んだ絵を描き、薬品で処理して描いた部分だけインクが載るようにします。そこへ紙を当ててプレス(圧力転写)すると、描いた図柄が紙に写し取られるという仕組みです。

石に直接描くため、微細なタッチまで忠実に再現できるのが特徴で、オリジナルのニュアンスに近い風合いを生み出せます。また、石版は耐久性に限りがあるため刷れる枚数が限られます。そのためリトグラフ作品は版画でありながら希少性が高く、コレクターの間で高い評価と人気を得ています。

 

 

シルクスクリーン(孔版画)

 

シルクスクリーンは現在の複製画制作でもよく使われている技法です。絹やナイロン製の細かいメッシュ状のスクリーンを使ってインクを刷り込みます。スクリーン上に描いたデザインの隙間からインクを紙に押し出すようなイメージですね。

シルクスクリーン印刷のメリットは、発色がとても鮮やかであることと、インクの層が厚く耐久性に優れることです。同じ版を使えば一度に多くの複製を作れるため量産性も高くコストが抑えられるので、ポップアートなどで広く活用されました。 Andy Warhol(アンディ・ウォーホル)の作品などが有名ですね。

 

 

ジクレー(デジタル印刷)

 

ジクレーは近年登場したデジタル技術を用いた印刷方式です。簡単に言うと高精細なインクジェットプリンターでキャンバスや画材用紙に直接プリントする方法になります。専用のインクを微細に吹き付けることで、写真のような滑らかなグラデーションや繊細な色のニュアンスまで表現できます。

ジクレー印刷の強みは、オリジナルの絵画に近い豊かな色彩を忠実に再現できる点です。さらに最新のインクは耐光性・耐水性に優れているため、直射日光や湿気による色あせが起きにくく、長期間にわたって美しさを保ちやすいという利点もあります。

 

 

木版画

 

木版画は最も古くからある複製技法の一つです。日本の浮世絵を思い浮かべるとイメージしやすいですね。木の板に下絵を描き、不要な部分を彫刻刀で彫って版を作ります。そして彫り残した凸部分にインクや絵の具を付けて紙に擦り込むことで、絵柄を写し取ります。多色刷りの場合は色ごとに複数の版木を用意し、重ね刷りで色彩を表現します。

手作業ならではの温かみのある風合いが出るのが木版画の魅力です。木目の模様が作品に独特の表情を与えることもあります。刷るたびにわずかなズレやインクの乗り具合の違いが生まれるため、一枚一枚が微妙に異なる唯一の作品として楽しめるのもポイントです。

 

 

銅版画

 

銅版画は金属の板に細かな線や陰影を刻んで刷る版画技法です。エッチング(腐食を利用した技法)やドライポイント(直に針で刻む技法)などいくつか種類がありますが、いずれも15世紀頃のヨーロッパで発展しました。銅板に溝を彫り、そこにインクを詰め、余分なインクを拭き取ってから紙に強い圧力でプレスすると、溝のインクが紙に写し出されます。

銅版画は緻密な線描や豊かな階調表現が可能で、オリジナルのデッサンに近い繊細さを再現できます。刷りを重ねるうちに版が摩耗していくため大量には作れず、一枚ごとにわずかな差異が出ることから、複製でありながらそれぞれが個性を持つ作品として扱われます。

 


 

以上、代表的な複製画の技法を見てきました。同じ「複製画」でも、手法によって作品の風合いや価値が大きく異なることが分かりますね。中には限定部数で作られる複製画もあり、そうした作品は美術品として資産価値が認められることもあります(有名作家の限定版リトグラフなどは良い例です)。複製画だからといって侮れない、奥深い世界が広がっているんです。

 

 

複製画の技法を知る3つのメリット

 

では、こうした複製画の技法について知っておくと、具体的にどんな良いことがあるのでしょうか?ここでは複製方法を理解しておくメリット3選をご紹介します。

 

  1. 作品の価値を正しく判断できる

    複製画がどんな方法で作られているか知っていると、その作品の希少性や品質を見極めやすくなります。たとえば「これは有名な版画工房で少数だけ刷られたリトグラフだから貴重だな」「こちらは量産可能な印刷だからコレクションよりインテリア向きかな」といった判断ができます。結果として、後述する絵画買取の査定時にも適正な価値を理解しやすくなるでしょう。

  2. 購入やコレクションの選択が的確になる

    複製画を購入するとき、自分の目的や予算に合わせて後悔しない選択ができるようになります。例えば「できるだけ原画に近い質感の複製画が欲しい」と思えば手描き複製や限定版の版画作品を選ぶでしょうし、「手頃に名画を楽しみたい」ならジクレー印刷のものを選ぶ、といった具合です。技法の違いを知っていれば、将来の価値や希少性も踏まえて自分にピッタリの一枚を選べます。

  3. 資産価値や投資の知識として役立つ

    アート作品を資産や投資の観点で考える場合にも、複製画の知識は武器になります。限定○○部のみ発行の版画作品や、有名画家がサインを入れたジクレー作品などは、たとえ複製画でも将来的に価値が上がる可能性があります。実際、著名な画家による限定版の複製画が年月とともに希少性を増し、絵画買取市場で高額査定される例もあります。「複製画 = 値段がつかない」ではないんですね。知識を蓄えておけば、そうしたチャンスを見逃さずに済むでしょう。

 

 

複製画の価値と絵画買取への影響

 

複製画にもピンからキリまでありますが、どんな複製画だと価値が高く評価されるのでしょうか?これはやはり作品の知名度や完成度がポイントになります。

まず、元になったオリジナルの作家が有名である場合、その複製画には高い需要と価値がつく傾向があります。有名画家の作品はそれ自体に多くのファンがいますよね。たとえばモネやゴッホ、ピカソといった巨匠の名画は、美術の歴史に大きな影響を与えた特別な作品です。当然ながら原画は手に入りませんが、その複製画であっても高品質に再現されていれば、ファンやコレクターにとって魅力的なものとなります。

ポイントは、オリジナルの美しさがどれだけ忠実に再現されているかです。絵画買取の査定でも、複製の完成度が高ければ高いほど「オリジナルに近い感動が得られる作品」として評価されます。色合いや筆遣いがしっかり再現され、ぱっと見ただけでは複製とわからないような出来栄えのものは、高く買い取ってもらえる可能性も高いでしょう。

さらに、複製画にシリアルナンバー(限定番号)や作家直筆のサインが入っている場合も価値が上がります。「世界で○○枚限定」「作家本人の承認済み」といった証明があると、コレクター心をくすぐりますよね。そうした複製画は希少性が増すため、絵画買取市場でもプラス評価となります。

要するに、「誰のどの作品をどんな技法で複製したか」「限定性や署名の有無」といった要素が複製画の価値を左右し、それがそのまま買取価格にも影響するというわけです。

 

 

複製画の購入と売却方法

 

複製画について理解が深まったところで、実際に複製画を手に入れたいときや、手持ちの複製画を手放したいときはどうすればいいでしょうか?ここでは、複製画の購入方法売却方法(売る方法)について押さえておきましょう。

 

複製画を購入するには

複製画を購入する方法はいくつかありますが、代表的なのはアートギャラリーや専門店で買う方法です。信頼できるお店であれば、保存状態の良い質の高い複製画に出会える可能性が高いですし、作品の来歴や真贋についてもきちんと説明してもらえるでしょう。近くにお店がない場合でも、最近ではオンラインのアートショップやオークションサイトで気軽に探すこともできます。

また、現代アーティストの作品であれば公式サイトやSNSをチェックしてみましょう。作家自身が直販していたり、期間限定で複製画(限定版の版画やジクレー作品など)を販売していることがあります。お気に入りの作家がいるなら情報をフォローしておくと掘り出し物に出会えるかもしれませんよ。

 

 

複製画を売るには

一方で、家にある複製画を売りたいとき(手放したいとき)の方法です。大きく分けると、専門の絵画買取業者に査定・買取してもらうか、フリマアプリやネットオークションなどで自分で個人販売するかの二択になります。

まず、個人間で販売する場合は次のようなデメリットに注意しましょう。

 

  • 適正な価格をつけにくい – 美術品の市場相場は一般の方には分かりづらく、素人判断で値付けすると安すぎたり高すぎたりする恐れがあります。

  • 説明不足によるトラブル – 真贋や状態説明をしっかり書かないと、「聞いていたのと違う」などと購入者と揉めてしまう可能性があります。

  • 梱包・発送の手間 – 絵画は壊れ物でもあり大型でもあります。額縁付きの作品を安全に発送するには相当気を遣いますし、梱包材を揃えたり発送手続きを自分で行うのはなかなか大変です。

 

このように個人販売はハードルが高い面があります。その点、信頼できる絵画買取の専門業者にお願いする方法は安心感があります。プロに査定してもらえれば、現在の市場に照らした適正価格で買い取ってもらいやすくなりますし、査定後そのまま契約すれば面倒な手続きも代行してくれます。自分では梱包・発送が難しいような大型の作品でも、業者によっては出張買取に対応してくれるので安心です。

「この値段でOK」と合意すればあとは業者にお任せできる手軽さも魅力ですね。大切な複製画を手放すなら、専門業者の力を借りてスムーズに進めるのがおすすめです。

 

 

複製画をきれいに保管する方法

 

お気に入りの複製画を手に入れたら、長く美しい状態で楽しみたいですよね。また、「いつか絵画買取に出すかもしれない」という場合にも、日頃の保管方法次第で査定額に差がつくこともあります。最後に、複製画をきれいに保つための保管のコツをまとめます。

 

  • 直射日光を避ける: 複製画を飾る場所は日光が直接当たらない場所がおすすめです。特に印刷系の複製画(ジクレーやシルクスクリーンなど)は紫外線で色あせしやすいので要注意。カーテン越しの柔らかい光くらいがちょうど良いでしょう。

  • 温度と湿度に気を配る: 絵画は温度・湿度の変化に敏感です。湿気が高すぎるとカビが発生したり紙が波打ったりしますし、乾燥しすぎても絵具や紙が劣化することがあります。一般的には**室温20〜25℃、湿度50〜60%**程度が望ましいとされています。人が過ごして快適に感じる環境であれば、絵にも優しいと考えてください。

  • 適切な額縁で保護する: 購入時についてきた額縁が簡素なものであれば、後から丈夫な額縁に変えてあげるのも手です。額装の際にUVカット加工のガラスやアクリル板を使えば、日焼けによる変色を防ぎ作品を長持ちさせられます。また、額縁内のマット(台紙)や裏板もしっかりした素材のものに変えると、絵画がたわんだりカビが生えたりしにくくなります。

  • 保管時は立てて収納する: 「飾らずにしまっておきたい」という場合は、絵を寝かせず立てた状態で収納しましょう。平置きにすると重みで画面が圧迫され、絵具面や紙に貼り付き・ひび割れなどのダメージが起こることがあります。絵を入れた額縁を専用のケースや布で包み、壁にもたせかけるようにして立てて保管すると安心です。

  • 定期的に状態チェック: しまいっぱなしにせず、年に一度は取り出して状態を確認しましょう。額縁のガラスにヒビや汚れがないか、裏板に湿気が溜まっていないか、絵にカビや虫食いが発生していないか——チェックポイントはいくつかあります。ときどき空気に触れさせてホコリを払ってあげれば、複製画もきっと喜ぶはずです。そのひと手間で、美しさを何年先までも保つことができますよ。

 

以上のポイントに気を付けて保管すれば、複製画をいつまでも良い状態で楽しめます。それはひいては作品の価値を守ることにもつながります。大事な絵画ですから、愛情をもって扱ってあげてくださいね。

 

まとめ

複製画はオリジナルの原画とは違うものの、その作品ならではの魅力を気軽に楽しめる素敵なアートです。複製画にも価値あるものは存在し、特に有名作家の限定版などはコレクションや資産として注目されることもあります。ただし、複製画の価値は一律ではなく、作品の人気や保存状態によって変動します。例えば「今まさに人気上昇中の作家の複製画だから高く売れる」といったこともあれば、逆にどんなに貴重な複製画でも状態が悪ければ値が下がってしまうこともあります。

だからこそ、この記事で紹介したような複製画の基礎知識や保管方法が役に立ちます。お手元に複製画をお持ちの方は、大切にケアしながらその価値を楽しんでください。これから購入を考えている方も、ぜひ本物さながらの複製画の世界を堪能してみてくださいね。そして将来、絵画買取に出す場面が来たときには、この知識がきっとあなたの助けになるでしょう。複製画についてよく理解し上手に付き合うことで、アートのある暮らしと賢い絵画買取をぜひ実現させてください!

 

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