2014年7月8日

岡村智晴日本画展  月の扇子

月の扇子
茶道での扇子はあまり開く事はありませんが、その開けない扇子に描かれているのが魅力なのです。
セレーサのカウンターに薔薇と会わせて飾ってもとても素敵でした。
                               写真:井澤克友
茶道を始めると必ず必要になってくるアイテムの一つに「 扇子 」があります。人と挨拶をするとき、席に入る時、道具を拝見する時、などに用います。
そもそも扇子は 平安時代 頃から、あおぐという役割だけでなく、儀礼や贈答、コミュニケーションの道具としても用いられていました。具体的には 和歌 を書いて贈ったり、花を載せて贈ったりしたことが、 源氏物語 など、多くの 文学作品 や歴史書に書かれています。また武士にとっては「刀」と同じ物と解釈されて尊ばれました。
茶道、能などでは、茶扇、能扇というふうに決まった形式のものを使います。これらは扇面に描かれる絵の種類も違いますし、使い方も様々です。茶扇も能扇同様に室町時代以降、茶道の発展とともに茶席に用いられるようになりました。
茶道の世界では、膝の前に扇子を置くことが作法の一つにあります。扇子を自分の前に置くことで相手への敬いの念を表すという使い方をします。また、 座って挨拶をするときに、胸元から畳んだ状態の扇子を自らの膝前に置き、それを境にするように相手に礼を行います。これは扇子に自他の「境」をつくる結界としての役割をもたせたものです。ただし、上田流の場合、席中であれば男女ともに礼を行う時は、右手に握ったまま座礼を行います。
扇子の使い方は流派によって違います。

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