2024年9月7日
手塚治虫作クレオパトラの絵画 北岡技芳堂の絵画買取ブログ
手塚治虫の描いたクレオパトラの作品をご紹介してします。
鉄腕アトムやブラックジャックは見たり聞いたりしたことがあると思いますが今回ご紹介するクレオパトラはあまり知られておりません。
アニメラマ「世界三大美女」の一人、クレオパトラが主人公です。当時の新聞広告には、彼女のセクシーさが売りという意味で「とうとう脱がしてしまいました」のコピーが添えられていました。
キャラクターデザインは「ヒゲとボイン」や「仙人部落」等で知られる大人漫画の代表的作家、小島功が担当されました。
彼の手によるクレオパトラの美しいプロボーションは、実に素晴らしいものです。
こんな手塚治虫の作品があったのかとびっくりしました。
物語的には史実をベースに数奇な運命をたどったクレオパトラの半生を描いた作品ですが、全編に渡って手塚治虫らしいやお遊びが次々と繰り出される、バラエティショウ仕立ての楽しい漫画となっています。
手塚治虫 クレオパトラ 色紙
主人公のクレオパトラからして、元々は醜い女であったが整形手術で美女に生まれ変わったというとんでもない設定です。何と「サザエさん」「カムイ外伝」「ハレンチ学園」と、当時の人気漫画のキャラクターが友情出演されました。ローマ凱旋シーンではピカソやゴッホといった古今東西の名画が次々と登場し、シーザー暗殺シーンは「忠臣蔵」の松の廊下のパロディです。
TV番組「ゲバゲバ90分」で人気を博していたハナ肇が出演しており、当時の流行語の「あっと驚くタメゴロー」を披露するという悪ノリぶりで、実はSF仕立ての筋立てにもなっております。映画の最初と最後に未来世界が出てくるのですが、そこで、前代未聞の変わった手法が使われています。
まあ、それがどんなものなのかは本編を観てからのお楽しみという事で、ストーリーは人間が宇宙に乗り出している21世紀、パサトリネ星の住人達が地球に対して「クレオパトラ計画」を企んでいる事が判明。
その計画の真相を探るために3人の未来人の精神が、クレオパトラが生きていた紀元前50年のエジプトに転送されました。
当時、エジプトは、ローマ軍の侵略を受けており、醜い女であったクレオパトラは、シーザーを陥落させるために整形手術を受けて、絶世の美女となりました。
シーザーの死後、次のローマの司令官アントニウスがエジプトを襲い、クレオパトラは彼も虜にします。だが、1人の女としての幸せを望むようになった彼女のその後は………。
手塚治虫の作品『クレオパトラ』は、1970年に公開された。「虫プロダクション」制作のアニメ映画で、手塚治虫の実験的な試みが詰まった漫画作品の一つです。
この作品は「アニメラマ三部作」の第二作であり、成人向けのアニメーション映画として、エロティックな要素や歴史的なテーマを扱っていることが特徴です。
しかし、当時は批評家や観客からの評価が分かれ、特に日本国内ではあまり成功しませんでした。
『クレオパトラ』の今後の評価
手塚治虫の国際的評価
手塚治虫は「漫画の神様」として、日本のみならず世界中で広く認知されています。彼の作品はアニメーションやマンガの世界に革命をもたらし、今でも彼の影響を受けたクリエイターは数多く存在します。そのため、『クレオパトラ』のような実験的な作品も、手塚治虫の幅広い才能と挑戦精神の一端を示すものとして再評価される可能性があります。
アニメ史における評価の変化
『クレオパトラ』のような大人向けアニメーションは、今日のアニメ市場において新たな評価を受ける土壌があります。現在では「アニメは子供向け」という固定観念が薄れ、アートフィルムや大人向けの内容を含む作品も高く評価される時代になりました。このため、『クレオパトラ』も「アニメーションの可能性を拡張した先駆的作品」として再評価される可能性があります。
映画技術や表現の独創性
『クレオパトラ』は当時の技術として斬新なアニメーション表現を多数採用しています。手塚治虫は従来のアニメの枠にとらわれないストーリーテリングやビジュアルエフェクトを追求しており、これは現在の観点からも革新的なアプローチとみなされる可能性があります。アニメーション技術や表現に関心のある映画研究者やアニメファンの間で、その美学や実験精神が改めて注目されるかもしれません。
現代的なテーマとの関連
歴史的な人物であるクレオパトラを扱った作品であるため、現代の視点からフェミニズムや政治、権力構造などのテーマが再び検討される可能性もあります。手塚治虫が描くクレオパトラ像が、現代の観客にどのように受け止められるかによって、評価が変わってくることも考えられます。
結論
『クレオパトラ』は、公開当初こそ評価が分かれたものの、手塚治虫という巨匠の多面的な才能や実験精神が込められた作品として、今後再評価される可能性があります。特にアニメの多様な表現が評価される現在において、手塚のビジョンと挑戦を再発見する動きが起こるかもしれません。
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