2025年5月24日
掛軸のサイズと選び方のポイント 掛軸買取コラム4
掛軸は日本の伝統的なアートで、室内の雰囲気を一段と引き立ててくれる美術品です。掛軸のサイズは、飾る床の間のサイズに合わせて選ぶ必要があります。
掛軸にはさまざまな寸法がありますが、一般的には以下の通りに分類されています。
掛軸の寸法
およその寸法です。
サイズ | 高さ | 幅
尺八幅 | 約190cm | 約64.5cm
尺五幅 | 約190cm | 約54.5cm
尺三幅 | 約164cm | 約44.5cm
あんどん | 約140cm | 約54.5cm
尺幅 | 約140cm | 約35cm
尺幅横物 | 約135cm | 約64.5cm
この中で、**もっとも標準的で流通量が多いのは「尺五幅」**のサイズです。尺五幅は、バランスの取れた大きさと飾りやすさから、多くの掛軸作品で採用されています。
掛軸の種類と特徴
掛軸には、大きく分けて「書画」と「絵画」の2種類があります。
まず「書画」についてですが、これは主に漢字や仮名文字を用いて表現された作品を指します。書道家や茶人、あるいは寺院の僧侶によって書かれたものが多く、力強い筆遣いや優雅な文字の美しさが魅力です。特に和室との相性がよく、落ち着いた空間に深みと趣きを添えてくれます。
一方、「絵画」は、風景や花鳥、人物などを描いたものを指します。題材によって与える印象はさまざまであり、日本画や水墨画の掛軸は、静けさや自然美を感じさせるため、和の空間によく馴染みます。季節ごとに掛け替えることで、楽しみ方がさらに広がるのも特徴です。
季節に合わせた掛軸
日本の四季を感じるために、季節ごとに掛軸を替えるのもおすすめです。掛軸には自然や風景、動植物など、四季折々のモチーフが豊富に描かれているため、室内に季節感を取り入れるのに最適です。
春には桜や梅、夏には涼しげな青葉や海の情景、秋には紅葉や収穫の果物、冬には雪景色や山の静けさをテーマにした掛軸が人気です。これらを飾ることで、室内に豊かな季節の表情を生み出し、心地よい空間を演出できます。
また、掛軸を掛け替えることで室内の印象も常に新鮮に保つことができ、来客時には会話のきっかけにもなります。アートを通して日本文化の豊かさを身近に感じられる点も、掛軸の大きな魅力です。
記念日に適した掛軸
【昇進祝いや開業祝いなどビジネスシーンに】 力強いメッセージが込められた書の掛軸が好まれます。祝福の言葉や成功を願う言葉が書かれた掛軸は、贈り物としても励みになるでしょう。
【結納や結婚祝いに】 結婚や結納の祝いには、縁起の良い掛軸が選ばれます。特に「高砂」を題材にした掛軸は、夫婦円満や長寿を象徴するものとして喜ばれます。
【還暦や古希、喜寿といった長寿祝いに】 節目の年には、華やかな花鳥画や「寿」の文字が描かれた掛軸が喜ばれます。人生の節目を祝う場面に華を添えてくれるでしょう。
お茶の席に適した掛軸
お茶席で用いられる掛軸は「茶掛」と呼ばれ、茶道具の中でも特に格式の高いものとされています。茶掛には、禅宗の教えを伝える「禅語」が書かれており、茶席の精神性を高める重要な役割を担います。
掛軸の選び方
掛軸を選ぶ際には、以下のポイントを意識するとよいでしょう。
部屋に合わせた選び方
和室であれば、伝統的なデザインの掛軸が自然と調和します。特に、風景画や季節の花を描いたものは、和の空間をより一層引き立てます。洋室の場合は、モダンなデザインや抽象的な掛軸を選ぶと違和感なく取り入れられるでしょう。
また、掛軸の色合いも重要です。落ち着いた色調のものはシンプルな部屋に合いやすく、華やかな色合いの掛軸は空間に明るさと活気をもたらします。壁や家具の色に合わせて、バランスの取れたものを選びましょう。
さらに、掛軸のサイズにも注意が必要です。床の間や飾るスペースを正確に測り、適切な大きさを選ぶことが大切です。複数の掛軸を飾る場合は、統一感を意識すると良いでしょう。
床の間とのバランスを考える
床の間が広い場合は、尺八幅の掛軸を選ぶことで、空間に迫力と存在感を持たせることができます。逆に、小さな床の間には、コンパクトな掛軸がバランスよく収まります。床の間の広さとの対比を考えながら、最適なサイズを選びましょう。
また、デザインにも気を配ることが大切です。床の間には花や茶道具、季節を表す装飾が施されることが多いため、それに調和する掛軸を選ぶと一層魅力的な空間になります。たとえば、春には桜や若葉、秋には紅葉といったように、季節感を意識して選ぶと良いでしょう。
掛軸のメンテナンス方法
掛軸を長く楽しむためには、設置場所の環境に気を配ることが大切です。直射日光が当たる場所や、高温多湿な環境は掛軸の劣化を早めます。できるだけ日差しを避け、必要に応じて除湿器を使用して湿度管理を行いましょう。
日常の手入れとしては、表面に溜まったホコリを柔らかい布や刷毛でやさしく取り除きます。水拭きや洗剤の使用は避けるべきです。水分は掛軸の劣化を招くため、細心の注意が必要です。
保管する場合は、掛軸を巻いて専用の箱やケースに収め、外部からの刺激を避けるようにしましょう。環境を整え、定期的なメンテナンスを心がけることで、美しい状態を長期間保つことができます。
まとめ
掛軸は日本文化を象徴する芸術品であり、その魅力を引き出すためには適切なサイズ選びが欠かせません。
さらに、掛軸選びでは、部屋のスタイルや家具との調和も意識すると良いでしょう。和室の魅力を引き立てるためにも、自身の好みやライフスタイルに合った掛軸を選ぶことが、長く愛用する秘訣です。
また、季節や記念日に合わせて掛軸を替えることで、空間に変化と新鮮さをもたらすことができます。
お気に入りの掛軸を見つけ、日常に和の趣を取り入れてみませんか。掛軸の持つ豊かな表現力と癒しの力が、あなたの暮らしをより豊かに彩ってくれることでしょう。
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