2025年5月6日

煎茶道具の種類とその役割は?基礎知識を解説します。 茶道具買取コラム6

茶道というと、多くの方は抹茶を点てるものというイメージを持つと思います。しかし、実は茶道には、抹茶を点てる「抹茶道」と、煎茶や玉露などの茶葉を淹れる「煎茶道」という二つの種類があります。

この抹茶道と煎茶道では使用する道具も違います、煎茶道において使われる道具は「煎茶道具」と呼ばれています。

このコラムでは、煎茶道の基礎知識と煎茶道具の名前、それぞれの用途について詳しく説明させていただきます。

 

煎茶道具

煎茶道具

 

 

歴史と成り立ちをわかりやすく解説

 

煎茶道(せんちゃどう)は、煎茶を用いた日本の伝統的な茶道のひとつです。その始まりは江戸時代初期。中国から伝来した煎茶文化を、黄檗宗の僧侶・**高遊外(こうゆうがい)**が長崎で学び、京都に広めたことがきっかけとされています。

当時、抹茶文化が大名や武士階級の間で盛んだったのに対し、煎茶道は町人や文化人、庶民の間で親しまれた生活に根ざした茶道として発展しました。

江戸時代中期以降、煎茶の普及とともに道具や作法が体系化され、現在でも多くの愛好者に受け継がれています。

 

 

煎茶道具の種類と用途一覧

 

煎茶道には、各工程に応じた多種多様な道具が使われます。以下に代表的な煎茶道具の名称、読み方、および用途を分類別にまとめました。

 

あ行の道具

烏府(うふ)

炭を入れておくための容器。竹や籐などの天然素材で作られ、比較的小ぶりなのが特徴です。

 


 

か行の道具

 

火斗(かと)

火種を移動させるための道具で、素焼きの十能(じゅうのう)にあたります。

 

急須(きゅうす)

お湯を注ぎ、茶を抽出するための最も重要な道具。持ち手の位置や網の種類によって味や使い勝手が変化します。

 

急須台(きゅうすだい)

急須を置くための台で、竹、木、金属など素材は多岐にわたり、茶席の演出にも関わります。

 

建水(けんすい)

茶碗を洗ったお湯や茶殻を捨てる容器。別名「茶こぼし」とも。

 

香合(こうごう)

香を収納するための器。茶席の空間演出にも一役買う、美術的な道具です。

 


 

さ行の道具

 

茶具褥(さぐじょく)

道具を置くための布で、道具を保護する役割も担います。

 

水注(すいちゅう)

煎茶を点てる水を入れておく容器。陶器や金属製など様々です。

 

煎茶椀(せんちゃわん)

煎茶を飲むための器。一般的な湯呑みより小ぶりで、少量の茶を上品に楽しむ文化を象徴します。

 

洗瓶(せんびん)

器を清める際の水を入れておくための道具で、建水と組み合わせて使用されます。

 


 

た行の道具

 

棚(たな)

茶具を美しく並べるための飾り棚。四方棚や松風棚など種類があり、流派によって異なります。

 

茶心壺(ちゃしんこ)

茶葉を保存する容器。湿気や酸化から守るための重要な道具です。

 

茶托(ちゃたく)

煎茶椀の下に敷く皿で、手が熱くならない工夫がされています。

 

茶旗(ちゃばた)

茶会の開催を知らせるための旗。茶室の外に掲げる目印です。

 

茶量(ちゃりょう)

茶葉をすくうための匙。流派によって呼び名や形状が異なることがあります。

 

衝立(ついたて)

茶席の空間を区切るための屏風。美的効果と機能性を兼ね備えています。

 

提籃(ていらん)

茶具を持ち運ぶための籠。主に野外での茶席に用いられます。

 


 

は行の道具

 

羽箒(はぼうき)

炉の灰を清掃するための道具。野雁や鶴の羽が用いられ、見た目も繊細です。

 

花屏風(はなびょうぶ)

花を活けて茶席を飾るための装飾道具。竹や木で作られ、場を華やかにします。

 

柄杓(ひしゃく)

湯を注ぐための道具で、湯温調整を行う際に重要です。

 

火箸(ひばし)
炭や香をつまむための金属製の箸。炉の種類によって使い分けされます。

 

瓶床(びんしょう)

茶器を乗せるための台。籐や竹で編まれたものが多く、茶具褥とセットで使います。

 

袱紗(ふくさ)

道具を清める布。煎茶道では木綿製のものが多く見られます。

 

ボーフラ(ぼーふら)

湯を注ぐための土器。素朴な形が特徴で、語源はポルトガル語の「botija」から来ているとされています。

 


 

ら行の道具

 

涼炉(りょうろ)

夏場の茶会で使う炉で、炭火を用いて湯を沸かす役割があります。

 

炉扇(ろせん)

うちわ状の道具で、火力の調整に使用されます。

 

炉屏(ろびょう)

茶席の仕切りとして用いる屏風。亭主と客の空間を分ける重要な道具です。

 


 

※茶の湯の世界には、抹茶を点てる「抹茶道」と、煎茶を淹れて楽しむ「煎茶道」があります。煎茶道は江戸時代に市民文化として発展し、より親しみやすく柔軟な形式で受け継がれてきました。煎茶道で使われる道具一つ一つには、独自の美意識と実用性が宿っています。現在、中国では煎茶文化が再評価され、道具の相場も上昇傾向にあります。この機会に、ご自宅にある煎茶道具を見直してみるのも良いかもしれません。

 

 

煎茶道具は価値あるアンティーク?今注目される理由

 

現在、中国をはじめとしたアジア圏で日本の煎茶道具が高値で取引される傾向にあります。とくに昭和以前の本格的な道具や、著名作家の手による作品はコレクターや海外の愛好家から人気を集めています。

 

 

煎茶道具を通じて、日本文化の奥深さを再発見しよう

 

煎茶道は、抹茶道とは異なる独自の美意識と作法を持ち、道具ひとつひとつに意味と歴史が込められています。それらを理解しながら味わうことで、日常の中に豊かな時間が生まれるでしょう。

また、煎茶道具は実用品であると同時に、骨董品や美術品としての価値も高い存在です。もし古い煎茶道具がご家庭にあるなら、その価値を見直す絶好のタイミングかもしれません。

 

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