2023年3月29日
森田子龍の書を買取り致します。
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戦後日本の書芸術の景色を変え、現代美術史に大きな足跡を残した作家、「墨人 森田子龍」
森田子龍左 スラージュ真中
1950年代初頭、戦後の混沌の様相をなお残していた日本で、伝統芸術である書をめぐる革新的な運動が起こります。
やがて欧米の抽象絵画と交錯した日本の前衛書は、50年代後半には国際美術の舞台へ躍り出ます。
それは東洋と西洋、伝統芸術の書と現代美術の抽象絵画が交わる美術史上かつてない驚くべきひと幕であり、
その立役者こそ、伝統的なものを破壊するかたちでなく書芸術に新たな概念を吹き込み、
造形芸術としての書を世界に知らしめた作家が森田子龍です。
子龍が1951年に創刊し、全300号を編集した書芸術総合誌「墨美」は、他に類のない新しい芸術媒体であり、50年代から60年代にかけてカテゴリーや国を超えて、芸術家の交流を促しました。
1952年、既存の書壇の因習を打破し現代書芸術を再確立すべく、4人の同志と共に子龍が京都で結成した前衛書グループ、墨人会は、戦後日本の前衛書運動を代表する存在として60年代にかけて海外に積極的に進出していきます。
森田子龍筆 書 「龍」
書は紙に墨で表現されるモノクロームかつ二次元の芸術ですが、筆の動勢や韻律、墨の色、濃淡、潤渇、新しい素材や技法によって、立体的にも色をも伴うように見えます。
1950年代初頭、書作品が絵画と同じ空間で展示されるようになると、画面が大きく字数が少なく筆も大きくなったことで、子龍は新しい状況における墨を追求します。
初期の伝統的な磨った墨から、油煙や新しい素材を混ぜた墨、膠の代わりに粘着質の濃い接着剤を用いた墨、そして黒い紙にアルミ粉を膠またはボンドに混ぜた「墨」で書き、漆をかける「漆金」という独自の技法まで、作品を通して、子龍の墨の表現に対するこだわりを感じます。(上記の作品龍が「漆金」技法の作品。
森田子龍の簡単な経歴
1912年豊岡市に生まれる。
1932年頃より制作を始め、1937年、上田桑鳩の知遇を得て上京、「書道芸術」の編集に携わる。同年第2回大日本書道院展にて推薦金賞、特選銀賞第一席受賞。さらに翌1938年、第3回大日本書道院展でも推薦金賞受賞。日満支書道展においては文部大臣賞受賞と華々しいデビューを飾る。
戦後は書の啓発普及、革新を目指し、「書の美」、「墨美」、「墨人」といった書雑誌を発刊、さらに同士を募り「墨人会」を結成、書壇に新しい風を吹き込んだ。中でも、「墨美」、「墨人」の発刊は書と国内外の抽象画家たちとの活発な交流を生み出し、森田氏の存在が海外でも広く知られるきっかけとなった。
表面的な字形に捕らわれない生命感にとんだ<墨象>という新しい世界を切り開いた森田子龍だが、その根底には、書の根源的な伝統を求めて深く古典を学び、王義之、大燈国師らから受け継いだ高い精神力があったと言える。
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