先日は、一蕙斎（浮田一蕙）の掛軸をお持ち込みいただき、査定・買取をさせていただきました。この度は、誠にありがとうございました。

作品名は「野見宿禰図」です。相撲の神として知られる野見宿禰（のみのすくね）は『日本書紀』に登場し、垂仁天皇の御前で當麻蹶速と相撲を取って勝利した説話が広く伝わっています。出雲の出とされ、のちに埴輪の考案にも関わったと伝えられる古代の人物で、力と気概を象徴する主題として掛軸の画題でも人気があります。

浮田一蕙（1795–1859）は京都に生まれ、名は可為、豊臣姓を称し、一蕙斎と号しました。田中訥言に学び、沈滞していたやまと絵の復興に尽力した同時代の画家らとともに京の雅を現代に呼び戻した存在です。詩文・和歌にも通じた教養人で、気骨ある気風は画面にもあらわれているようです。

一蕙斎は攘夷論（じょういろん）をとなえたことにより、安政5年（1858）の安政の大獄で捕えられ、翌年に釈放されるも京都で65歳で病死しました。代表作「婚怪草紙」は、公武合体策による皇女降嫁の画策を風刺した作として知られています。

掛軸の査定では、作者名、図柄、落款、年代、保存状態や表具の痛み、箱書・共箱の有無や由来を示す資料などを総合的に拝見しております。

北岡技芳堂では、一蕙斎（浮田一蕙）の掛軸をはじめ、やまと絵、近世・近代の日本画、茶道具や工芸品など幅広い骨董品の査定・買取を承っております。作家名や内容がわからない掛軸でも大丈夫でございます。全体と落款、箱書のお写真をお送りいただければ、画像による概算査定が可能です。

店頭へのお持ち込みのほか、出張買取やLINEでのご相談にも対応しております。相続やご実家の整理、コレクションの見直しなど、骨董品のことでお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。現在の市場動向と保存状態を踏まえ、次の持ち主へ気持ちよく手渡せるよう丁寧にお手伝いいたします。

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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。

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