先日は、塗師祥一郎の油彩を店頭にお持ち込みいただきました。塗師祥一郎（ぬし しょういちろう）は雪深い北国を描いた風景画で知られる洋画家です。作品名は「待春の村」、雪に覆われた村ですが寒々しい感じではなく、どこかあたたかみを感じさせるような作品です。最近は飾ることがなくなってしまったとのことで、今回買取をさせていただきました。誠にありがとうございました。

塗師祥一郎は1932年に石川県小松市に生まれ、生後まもなく旧大宮市へ移り住みます。金沢美術工芸大学で油彩を学び、小絲源太郎に師事して表現の基礎を磨きました。十代の頃から頭角を現し、1947年に北国現代美術展で「静物」が吉川賞、1951年には日展に「展望」で初入選、翌年には光風会展で「構内」「いこい」が初入選となります。

雪深い北国の景色を、冷たさに偏らないやわらかなタッチで描き続けたことが活動の核にあり、1997年には日展「山村」で文部大臣賞、2003年には「春を待つ山間」で日本芸術院賞を受賞、日本芸術院会員にも推挙されました。2008年に旭日中綬章、2016年に逝去。2019年には川口総合文化センター・リリアで寄贈作品展が開かれ、穏やかな雪国の光景に宿る人の暮らしの温度が改めて紹介されました。

北岡技芳堂では、塗師祥一郎の油彩をはじめ、洋画・日本画・掛軸・茶道具など幅広い骨董品の査定・買取を承っております。店頭へのお持ち込みはもちろん、出張買取やLINEでの簡易査定にも対応しております。

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