先日は、「実家に長年飾ってあった絵を売りたい」とお問い合わせをいただきました。作者はわからないとのことでしたが、お持ち込みいただき拝見したところ、白鳥映雪の美人画でございました。

長年飾られていたため全体的にシミが出ておりましたが、お客様にとっても長くご実家に飾られていた思い出のある作品とのことで、丁寧に査定を行い、お引き取りいたしました。この度は、誠にありがとうございました。

白鳥映雪（1912〜2007）は長野県北佐久郡大里村（現在の小諸市）に生まれ、日本画家・伊東深水に師事して人物画を中心に制作を続けた日本画家です。戦後の日本画壇において、柔らかく気品のある女性像を描き続けたことで知られています。

平成15年には脳梗塞で倒れ、利き腕の右手が使えなくなりましたが、それでも左手で筆をとり続け、「不屈の画家」と呼ばれました。亡くなる当日まで描き続けたという遺作「雨あがる」は、まさにその生き様を象徴する作品ではないでしょうか。

故郷の小諸市には「小諸高原美術館・白鳥映雪館」があり、文展初入選から晩年に至るまでの代表作が展示されています。生涯を通じて人物画に取り組み続けた映雪の作品は、戦後の日本画壇を支えた一人として確かな足跡を残しています。

北岡技芳堂では、白鳥映雪をはじめ伊東深水、上村松園など、美人画の査定・買取を行っております。ご自宅に眠っている作品がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

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