先日は、長谷川翠楽の亀の置物を買取させていただきました。ご自宅を片付けていたところ、思いがけず見つかったお品とのことでした。鋳銅ならではの落ち着いた質感と重みがあり、甲羅や足の造形も細部まで丁寧に表現されています。

三匹の亀が重なり合うように並ぶ姿がとても愛らしく、今にも動き出しそうなほど生き生きとしています。静かに息づいているような存在感がありますね。この度は、誠にありがとうございました。

長谷川翠楽という作家については、詳しい資料がほとんど残されておりません。展覧会記録や公的な資料などは見つかっていないものの、オークションなどでは鋳銅の香炉や置物の作品が複数確認されており、金工の分野で活動していた作家または工房名であった可能性があり、写実的な造形からは伝統的な鋳物の技術を継承した確かな腕前がうかがえます。

北岡技芳堂では、こうした金工品や鋳物作品を含め、幅広い骨董品の査定・買取を行っております。作家の詳細が分からないお品でも、技術や時代背景から価値を見極めることができます。ご自宅に眠る置物や香炉などがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

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