買取実績
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絵画
浅野弥衛 鉛筆・紙
無題
- 買取地区:
- 三重県松阪市
- 買取方法:
- 出張買取
参考価格¥200,000
先日は、三重県内のお客様のご自宅にお伺いし、浅野弥衛の鉛筆と紙による作品を買取させていただきました。シンプルな構成ながら、線のひとつひとつに力強さと静けさが宿る作品で、紙面からは緊張感と穏やかな詩情が伝わってきました。

浅野弥衛(1914〜1996)は、三重県鈴鹿市の参宮街道に面した旧家に生まれました。家業は江戸時代から続く刻み煙草の仲買商で、専売公社設立以降も小売を続けながら、洋酒の販売も手がけていたといいます。
1932年に中学校を卒業後、職業軍人として満洲に渡り、翌年帰国。この頃から絵を描き始め、津市の詩人・野田理一(1907〜1987)と親交を深めました。
野田が所有していたヨーロッパの美術雑誌や画集を通じて、浅野はカンディンスキー、ミロ、クレー、アルプ、ブランクーシなどの前衛的な芸術に触れます。未知の表現に対しても「驚きはなかった。能や歌舞伎の構成もシュールなものだ」と語っており、日本文化の中にすでに抽象性を見出していたことがわかります。こうした独自の視点が、後の抽象表現につながっていきました。

戦後は鈴鹿信用組合に勤務し、のちに理事・代表理事を務めながらも制作を続けていました。昼間は金融機関での業務にあたり、夜は自宅で絵を描く生活を送り、仕事と創作の両立を続けたといわれています。
1950年代後半には、乳白色の画面をひっかくような線で構成した独特の抽象作品を生み出します。その繊細で力強い線描は、生涯にわたって追求されました。1962年から1990年まで愛知県立芸術大学の客員教授を務め、1991年には三重県民功労賞を受賞。1996年に亡くなる直前には、三重県立美術館で回顧展「浅野弥衛展」が開催され、その歩みが紹介されました。
生涯を通じて鈴鹿の生家で制作を続け、静かに絵と向き合い続けました。浅野弥衛は個人的にもコレクションしている作家のひとりですので、こちらの作品も大切にさせていただきます。
北岡技芳堂では、浅野弥衛をはじめとする戦後日本の抽象画や現代美術の査定・買取を行っております。紙作品や小品でも評価の対象となるものが多くございますので、ご整理やご売却の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
絵画の買取につきましては、よろしければこちらもご覧ください。
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掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。
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