買取実績

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絵画
小倉遊亀 リトグラフ
「椿」
- 買取方法:
- 店頭買取
参考価格¥10,000
小倉遊亀のリトグラフを買取いたしました。金地を背景に椿の花が咲き誇っています。紅白に彩られた花弁と、瑞々しい葉の緑が絶妙なバランスで描かれ、作品全体から上品な華やかさが伝わってきます。
小倉遊亀の作品については、これまで多くのご相談をいただいてきましたが、中でも特にご依頼が多いのが版画作品です。
木版やシルクスクリーンなど、さまざまな技法で制作されたものがありますが、技法の違いによって評価が大きく変わるということはあまりございません。やはり重視されるのは、図柄や作品全体の状態になってまいります。
額縁に傷みがあったり、作品全体が焼けてしまっている場合は買取金額に影響してしまいます。図柄や状態によっては、人気のある作品で数万円ほどの買取になることもありますが、全盛期と比較いたしますと、それ以外の作品ではやや厳しい評価になる場合もございます。
小倉遊亀は、滋賀県大津市に生まれ、105歳でその生涯を閉じるまで絵筆を取り続けた日本画家です。女性として初めて日本美術院同人、そして理事長となった人物であり、その歩みは日本画壇における女性作家の道を切りひらいてきたものでした。
1895年、滋賀県大津市丸屋町(現在の大津市中央1丁目)に生まれました。本名も「遊亀」と書いて「ゆき」と読みます。奈良女子高等師範学校(現在の奈良女子大学)で学ぶ中で図画の授業に出会い、横山常五郎に絵を学ぶことになります。また、歴史研究者・水木要太郎から古美術に対する興味を深めていったことも、後の作風に影響を与えました。
1917年に学校を総代で卒業し、その後は教職に就いて京都、名古屋、横浜などで国語を教える日々が続きましたが、独学で絵を描き続けました。1920年、神奈川県大磯の安田靫彦に師事したことで、画家として本格的に歩みはじめます。
1922年、日本美術院の試作展で「静物」が入選。1925年には院展に出品するも落選しますが、翌年には別の展覧会で小林古径や速水御舟らの注目を集め、1926年には院展に初入選。この頃、一時的に「游亀(ゆうき)」の号を使っていた時期もありました。
1928年に少女たちが草花を写生する姿を描いた「首花」を出品して院友となり、1932年には「苺」を発表、女性としては初めて日本美術院の同人に推挙されました。
1935年以降は、熱海の修養道場・報恩会に通い、精神的な修養にも深く取り組むようになります。1938年には小倉鉄樹と結婚し、大船の「鉄樹庵」で暮らすようになりました。
1944年に鉄樹が亡くなると、その後は大徳寺の太田晦厳にも師事し、禅の思想と向き合いながら制作を続けていきました。この頃からは日常生活の中にある女性の姿や家庭の情景をテーマにした作品を多く発表していきます。
1950年代以降は受賞歴も相次ぎ、1954年には「O夫人坐像」で上村松園賞、1955年には「裸婦」で文部大臣賞、1957年には「小女」で毎日美術賞、1962年には「母子」で日本芸術院賞を受賞。裸婦や子供、孫といった身近な存在を描いた作品は、多くの人に親しまれました。
仏像や神像の作品にも意欲的に取り組み、宗教的なテーマを通じて、画面に深い精神性をもたらしています。
1975年に神奈川文化賞、1976年に日本芸術院会員、1978年に文化功労者に選ばれ、1980年には文化勲章を受章。1990年には日本美術院理事長に就任し、1996年からは名誉理事長となりました。
1992年頃からは糖尿病の影響で一時筆を休めますが、その後書に取り組むなど表現への意欲は衰えず、1997年以降は年に数点のペースで再び絵筆をとります。
1999年にはパリでも回顧展が開催され、国際的な評価も高まりました。2000年7月、105歳でその生涯を終えましたが、お衰えることのなかった創作意欲は多くの人に深い印象を残しています。
北岡技芳堂では、小倉遊亀の日本画、書、版画などの査定、買取を行っております。ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
絵画の買取につきましては、よろしければこちらもご覧ください。
https://gihodo.jp/kaiga-top/
【夏季休廊のお知らせ🍉】
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
誠に勝手ながら、下記期間を休廊とさせていただきます。
2025年8月12日(火)~8月17日(日)
期間中にいただきましたお問い合わせにつきましては、
8月18日(月)より随時ご返信いたします。
ご不便をお掛けいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。
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北岡技芳堂は昭和25年の創業より、三代にわたり骨董の世界と向き合ってまいりました。
ひとつひとつのお品に込められた想いと価値を丁寧に汲み取り、真摯な気持ちを大切にしながら、これからも皆さまとのご縁を丁寧につないでまいります。
北岡技芳堂では、絵画、掛け軸、骨董品、刀剣類などの美術品全般を幅広く取り扱っております。
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