買取実績

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堂本印象「老松双鶴」

掛軸

堂本印象
「老松双鶴」

買取地区:
名古屋市内
買取方法:
店頭買取

参考価格¥100,000

堂本印象の掛軸「老松双鶴」を買取いたしました。画面には、枝を広げる老松の上に、二羽の鶴が静かに並んで立つ姿が描かれています。墨の濃淡で表現された松の枝ぶりは、生命力と風格を備え、そこに配された白鶴の姿は一層の清らかさと気品を感じさせます。

2025年は、堂本印象の没後50年という節目の年にあたります。これを記念して、各地で展覧会が開催されています。名古屋の名都美術館ではすでに6月に展覧会が終了しておりますが、現在開催中の展覧会から、秋にかけても大きな展覧会が予定されています。

現在、京都府立堂本印象美術館では「堂本印象没後50年記念・印象と大阪展」が9月23日まで開催しております。こちらは、印象自身が創設した美術館です。

所蔵作品、約2600点のコレクションの中から大阪をテーマとした作品を展示するとともに、1970年開催の大阪万博の際、印象がデザインした万国博ホールの緞帳の下絵も公開し、これまでの画業を振り返ることのできる展覧会となっております。

京都国立近代美術館では、2025年10月7日から11月24日まで「没後50年 堂本印象 自在なる創造」が開催されます。官展出品作をはじめとした代表作を中心に、印象の画業をたどる大規模な回顧展となっており、京都画壇を超えて全国的な評価を得た堂本印象の全貌に触れる貴重な機会となりそうです。

昭和初期までの印象は、仏画をはじめ、花鳥や風景といった伝統的な日本画の題材を繊細な筆づかいで描き、多くの人々に親しまれてきました。

そんな印象に大きな転機が訪れたのは、戦後の約10年のこと。60歳を過ぎてからのヨーロッパ滞在をきっかけに、彼の画風は抽象的な方向へと大きく変化していきます。

生涯を通じて、これほどまでに画風を変化させた日本画家は決して多くありません。その変遷をたどることができる展覧会は、堂本印象というひとりの芸術家の歩みに触れる貴重な機会になるのではないでしょうか。お近くにお出かけの際には、ぜひ足を運んでみていただけたらと思います。

堂本印象は、1891年に京都で生まれました。生家は銘酒「賞菊」を手がける酒造業でしたが、父の代に経営が傾き、幼い頃に家は没落してしまいます。そのような中でも画家を志し、1918年に苦学の末、京都市立絵画専門学校へ進学します。在学中から西山翠嶂の画塾「青甲社」にも通い、本格的に日本画の道を歩み始めました。

1919年の第1回帝展には《深草》を出品して初入選。続く第3回では《調鞠図》と《訶梨帝母》がいずれも特選となり、若くしてその才能が高く評価されるようになりました。さらに第6回では《華厳》で帝国美術院賞を受賞し、官展の主軸として活躍を重ねていきます。

印象の作品は、初期には緻密な具象画が特徴的でしたが、60歳を過ぎて渡欧して以降は、より自由な表現へと傾いていきます。のびやかで勢いのある筆致によって描かれた抽象表現の作品は、それまでの伝統的な日本画とは一線を画し、印象独自の世界観が広がります。

昭和に入ってからも多方面で活躍を続け、1950年には日本芸術院の会員に、1961年には文化勲章を受章。さらに1963年にはローマ法王からサン・シルベストロ騎士勲章を贈られ、晩年の1974年にはその作品《母と子》がバチカンの近代美術館に収蔵され、サン・シルベストロ十字勲章も授与されました。

また、1934年には自身の画塾「東丘社」を創立し、京都市立絵画専門学校の教授としても教鞭をとり、後進の育成にも力を注ぎました。国内外での個展も多く、パリやニューヨーク、トリノなどでも作品が紹介されています。

印象は絵画にとどまらず、彫刻や染色、陶芸、ガラス、金工といった工芸分野にも挑み、さらに堂本美術館の建築デザインにも関わるなど、その表現領域は非常に幅広いものでした。神社仏閣の障壁画やデザインにも多く携わり、生涯を通じて日本画の新しいかたちを追い求めていたことが伝わってきます。

北岡技芳堂では、堂本印象の初期の作品から晩年の抽象作品まで、幅広くお取り扱いしております。ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

掛軸の買取につきましては、よろしければこちらもご覧ください。
https://gihodo.jp/kakejiku/

【堂本印象 略歴】

1891年
12月25日、京都市に生まれる(本名・堂本三之助)

1910年
京都市立美術工芸学校図案科を卒業

1911年
この頃より「印象」の号を名乗る

1918年
京都市立絵画専門学校に入学

1919年
第1回帝展に《深草》を出品し初入選

1920年
西山翠嶂の画塾「青甲社」に入門

1924年
京都市立絵画専門学校研究科を修了
第5回帝展審査員を務める

1933年
画塾「東丘社」を創立し主宰

1936年
京都市立絵画専門学校教授に就任(1941年まで)

1952年
ヨーロッパ各国を遊歴(イタリア、ドイツ、フランスなど)

1961年
トリノで個展開催
文化勲章を受章し文化功労者に顕彰される
第4回新日展に《交響》を出品し審査員を務める

1962年
パリとニューヨークで個展開催

1963年
聖マリア大聖堂の壁画を制作

1965年
社団法人堂本美術館を設立

1966年
堂本美術館開館

1973年
バチカン近代美術館に《母と子》を制作
ローマ法王より聖大十字シルベストロ大騎士勲章を受章

1975年
《善導大師》を第32回東丘社展に出品(絶筆)
9月5日、逝去。享年83

1992年
京都府立堂本印象美術館として再開館

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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。

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