買取実績

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骨董品
扇面蒔絵文庫・硯箱
- 買取方法:
- 店頭買取
参考価格¥80,000
扇面蒔絵の文庫と硯箱を買取いたしました。ずれも日本の伝統的な漆工芸によるもので、文房具や書状、書画道具などを納めるために使われる調度品です。
表面には扇面が描かれており、それぞれの扇の中には花鳥、山水、風景などの異なる主題が蒔絵技法によって精緻に表現されています。扇面は古来より文様として好まれたモチーフであり、多様な題材をひとつの画面に収められる魅力もあります。
蒔絵は、漆で絵や文様を描き、その上に金粉や銀粉をまいて装飾する技法で、日本独自の発展を遂げた工芸技術です。金の濃淡や粉の粒子の細やかな変化によって、絵画的な奥行きと装飾性を同時に成立させる高度な表現が可能となっています。
文庫の内側には、金地にさりげなく桜の花びらが散らされた蒔絵が施されており、春の一瞬を閉じ込めたかのような、控えめながらも華やかな印象を与えています。
蒔絵は、漆工芸を代表する日本独自の加飾技法のひとつです。漆で絵や文様を描き、漆がまだ乾かないうちに金粉や銀粉などの金属粉(蒔絵粉)を蒔いて付着させ、装飾を施します。「蒔くことで絵を描く」ことから、この技法は蒔絵と呼ばれるようになりました。
蒔絵の起源は奈良時代にまでさかのぼります。正倉院に伝わる宝物「金銀鈿荘唐大刀(きんぎんでんそうからたち)」の鞘に用いられた「末金鏤(まっきんる)」という技法が、蒔絵のはじまりとされています。その後、平安時代には「蒔絵」という名称が広まり、鎌倉時代になると、現在も使われている蒔絵の基本的な技法である平蒔絵、研ぎ出し蒔絵、高蒔絵が完成しました。
なかでも、一般的に「蒔絵」と言う場合は「平蒔絵」を指すことが多いです。平蒔絵は、まず漆で絵や文様を描き、そこに蒔絵粉を蒔いて定着させ、乾燥後に粉がはがれないよう上から漆を塗り重ねます。漆がしっかりと固まったあとで、表面を丁寧に研いで金属粉の輝きを引き出し、さらに磨きをかけて艶を出して仕上げます。こうして、繊細かつ華やかな蒔絵が完成するのです。
桃山時代には蒔絵が大きく発展し、京都・高台寺の霊屋(おたまや)やその調度品に見られる「高台寺蒔絵」は、平蒔絵の代表的な傑作として知られています。きらびやかでいて品格のあるその表現は、今日まで多くの人々を魅了し続けています。
蒔絵は単なる装飾ではなく、時代ごとの美意識や技術の粋が込められた日本の美術工芸の粋とも言える存在です。手間と時間を惜しまず、何層にもわたる工程を経て仕上げられる蒔絵は、まさに日本が世界に誇る工芸文化のひとつです。
北岡技芳堂では、蒔絵の文庫、文箱、硯箱などの査定、買取を行っております。その他の漆器につきましても、お気軽にお問い合わせください。
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