買取実績

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谷文晁 淡彩「李杜二賢像」 亀田鵬斎 題詩

掛軸

谷文晁 淡彩「李杜二賢像」
亀田鵬斎 題詩

買取地区:
犬山市
買取方法:
出張買取

参考価格¥150,000

谷文晁の掛軸を買取いたしました。 李杜二賢像が描かれており、詩は亀田鵬斎が書いています。

「李杜」は、中国唐代を代表する二大詩人である李白(り はく・701-762)と杜甫(とほ・712-770)のことです。両者は中国詩文の頂点に立つ存在とされ、常に並び称されることから「二賢」とも呼ばれています。

詩仙と称される李白は、豪放で幻想的かつ力強い詩風を持ち、旅と酒、自由を愛した浪漫的な詩人です。商人階級の出身だったため、当時の官僚登用試験「科挙」の受験資格がなく、若い頃から自由奔放な生活を送りました。

その後、玄宗皇帝に仕えて宮廷詩人として活躍します。晩年は安史の乱の混乱の中で、永王李璘の反乱に連座して罪を問われ、一時は夜郎への流罪を命じられましたが、途中で恩赦を受けました。その後は各地を漂泊する生活を送り、762年に62歳で亡くなりました。

詩聖と呼ばれる杜甫は、社会や政治の矛盾、民の苦しみを真摯に詩に詠んだ詩人です。幾度も科挙に挑戦するも不合格が続き、各地を放浪します。生活は困窮しながらも、家族を深く愛し、多くの子どもを連れての旅を続けました。

李白と杜甫が初めて出会ったのは、天宝3年(744年)、李白が44歳、杜甫が33歳の時でした。当時、李白はすでに宮廷から退けられており、杜甫は科挙に落第したばかりで、共に失意の中にありました。

二人は東都・洛陽で出会い、意気投合します。その後、およそ2年間にわたり連れ立って各地を放浪する旅に出ました。

杜甫はこの年長の詩人・李白に深く影響を受けます。以降、二人が直接再会することはありませんでしたが、杜甫は生涯にわたって李白の安否を気にかけ、彼を思い続けました。その想いは詩として数多く残されており、李白に宛てた作品は十五編にも及びます。

千二百年以上前に詠まれた彼らの詩は、今なお多くの人々に読み継がれています。性格や作風は対照的でありながらも、共に中国詩文の頂点を極めた存在として、後世に大きな影響を与えました。

谷文晁(たに ぶんちょう/1763–1841)は、江戸時代後期の画家であり、学者・文人たちとの交流を通じて多様な画風を取り入れ、江戸画壇を牽引した人物です。

江戸下谷根岸に生まれ、父・谷麓谷は田安家の家臣で漢詩人、祖父も文雅を尊ぶ家柄であり、幼少期より学芸に親しみました。

画業は狩野派の加藤文麗に始まり、渡辺玄対や北山寒巌、釧雲泉、さらには長崎に渡って張秋穀に学ぶなど、諸派を幅広く吸収しました。

中国・朝鮮・西洋画、そして大和絵・琳派・円山四条派などの様式を融合し、「八宗兼学」と称される折衷的かつ高度な画風を確立。山水画・人物画・花鳥画・仏画まで多彩な作品を遺しました。

26歳で田安家に出仕し、後に松平定信に抜擢されてその側近となります。定信の命により、古文化財の調査・模写に従事し、図録『集古十種』『古画類聚』の編纂にも関与しました。こうした活動を通じて文晁は古美術研究にも貢献し、文化的教養人としての地位を確立していきます。

旅を愛した文晁は各地を巡って写生を重ね、名著『日本名山図会』を著します。これは日本全国の著名な山々を描いた作品集で、後世の山岳表現や自然観にも影響を与えました。富士山に特に強い愛着を持ち、多くの富士図を描いています。

画塾「写山楼」では、模写と写生を重視しつつも、弟子の個性を尊重する教育方針を採り、渡辺崋山や立原杏所らなど多くの才能を輩出しました。養子の谷文一、実子の文二も優れた画技を持ちましたが、早世したため一門は後に衰退します。

晩年は定信の死後、御絵師の待遇を得て剃髪し「文阿弥」と号し、法眼位を授けられます。天保11年(1841年)、79歳で死去、辞世の句に「ながき世を 化けおほせたる 古狸 尾先なみせそ 山の端の月」と残すなど、洒脱で風雅な文人画家としてその生涯を終えました。

亀田鵬斎(かめだ ぼうさい/1752–1826)は、江戸時代後期を代表する儒学者・書家・文人です。

上野国邑楽郡富永村(現在の群馬県千代田町)に生まれ、幼くして江戸に出て日本橋の鼈甲商「長門屋」を継ぎました。

6歳で三井親和に書を学び、14歳で儒者・井上金峨に入門します。才能は群を抜き、学問の道に進むこととなります。23歳で私塾を開き、江戸各地で教鞭を執りました。門下には旗本や御家人の子弟が多く集い、学問は折衷(せっちゅう)学派に属し、自己の内面を基準とする自由な思想を重んじました。

しかし、寛政の改革における「異学の禁」により異端視され、「異学の五鬼」の一人としてほとんどの門弟を失います。以後は酒に溺れながらも、庶民に親しまれる存在となり、各地を遊歴して文人たちと交友を深めました。

谷文晁・酒井抱一とは「下谷の三幅対」と称されるほどの親交があり、また佐渡では良寛とも深い交流を持ちました。

60歳を過ぎて江戸に戻ると、その奔放な書風は一世を風靡し、「飛ぶがごとく舞う」とも評される独特の書は後世「フライング・ダンス」と呼ばれます。

鵬斎は心根の優しい人柄でも知られ、浅間山噴火の難民救済のために蔵書をすべて売り払ったり、困窮する宿屋に百両を提供したという逸話も残っています。

亀田鵬斎は、学問・芸術・人間味を兼ね備えた江戸文人の典型であり、儒学の枠にとどまらず、自由精神と美意識を体現した希有な存在でした。

北岡技芳堂では、谷文晁、亀田鵬斎などの作品の査定、買取を行っております。ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

掛軸の買取につきましては、よろしければこちらもご覧ください。
https://gihodo.jp/kakejiku/

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