青木大乗の作品を買取いたしました。

画面には、淡い緑色の冬瓜と、ざらりとした質感を持つ南瓜、そしてその手前には黒紫色の葡萄が配されています。深みのある赤褐色の背景と、対象物の沈んだ色調が見事に調和しています。

構図は極めてシンプルですが、対象の重みや存在感が濃密に伝わってくるような作品です。

青木大乗（あおき たいじょう、本名：精一郎）は、1891年に大阪市天王寺区に生まれた日本画家です。

若い頃は洋画を志し、天王寺中学校を卒業、京都の関西美術院で洋画を学んだ後、京都絵画専門学校では日本画も学ぶという、洋画と日本画の双方に素養を持つ画家でした。

1924年に「新燈社洋画研究所」を設立し、独自の展覧会を開催するなど、当初は洋画家としての道を歩んでいましたが、1935年に研究所を解散し、以後は日本画に転身します。

1937年には結城素明、川崎小虎らとともに「大日美術院」を創立し、写実を基盤としながらも新たな日本画表現の創造に挑み、公募展を開きました。

戦後は、1952年に大日美術院を解散し、欧米や中国などを旅して取材を重ね、その成果を数多くの作品に昇華させました。1969年に東京・日本橋高島屋にて回顧展を開催、1978年には米寿を記念して朝日新聞社主催の展覧会も開かれ、その功績が改めて注目されました。

1997年4月5日、心不全のため91歳で亡くなります。長く静謐な画業を貫いた、日本近代画壇における独特な存在でした。

大乗の日本画は、重厚な写実の中にも詩情を感じさせる静謐な世界を持ち、特に色彩の独特な使い方と沈んだトーンの美しさに評価が集まりました。西洋的な視覚感覚と東洋的な静けさが融合した表現は、他の日本画家にはない個性を放っています。

作品の持つ完成度や存在感は今なお高いですが、一方で、近年は美術市場においては全体的に評価がやや落ち着きつつあり、過去に比べると作品価格は下落傾向にあるのが実情です。

北岡技芳堂では、青木大乗の作品の査定、買取を行っております。お写真とサイズをLINEやメールでお送りいただきますと、おおよその査定額をお出しすることもできますので、お気軽にお問い合わせください。

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【青木大乗 略歴】

1894年
大阪天王寺に生まれる

1924年
新燈社洋画研究所を創設

1935年
日本画に転向

1937年
大日本美術院の創設に参画

1952年
大日本美術院が解散

1978年
米寿展として個展開催

1979年
死去　享年91

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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。

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