買取実績

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駒井哲郎「樹木」銅版画

絵画

駒井哲郎
「樹木」銅版画

買取地区:
名古屋市内
買取方法:
出張買取

参考価格¥60,000

駒井哲郎の銅版画を買取いたしました。「銅版画の詩人」と称された駒井哲郎ですが、白い紙と黒いインクのみで広がるその世界は、夢と現実、狂気と静けさの狭間を漂いながら、観る者の心の深層に静かに触れてきます。

駒井哲郎は、油絵や色彩版画にも取り組んでいますが、中心にあったのは常にモノクロームの世界で展開される銅版画でした。

代表作「束の間の幻影」をはじめとする詩的な銅版画には、夢や幻想、内面世界が静かに、しかし力強く刻まれています。

また、詩人や音楽家との交流を通じて、詩画集の制作や実験工房での活動にも積極的に関わり、美術、文学、音楽の垣根を越えた総合的な芸術表現を試みました。

駒井哲郎は、1920年に東京都中央区に生まれました。生涯をかけて探求することになる銅版画との出会いは、1935年に西田武雄に師事し、銅版画の技法を学び始めたことでした。

慶應義塾普通部に在学中には、エッチング研究所にも通い、ますます版画への情熱を深めていきます。1938年には東京美術学校(現・東京藝術大学)油画科に進学し、本格的な美術教育を受けました。

在学中の1941年に第4回文展に銅版画を出品し、見事入選、翌年に東京美術学校を卒業しました。

戦後間もなく、1950年に春陽会賞を受賞し、翌1951年には第1回サンパウロ・ビエンナーレで国際的な評価を得ます。木版画の棟方志功と並んで、日本の版画芸術を世界へと押し上げた立役者の一人となりました。

1953年、資生堂画廊で初個展を開催し、1954年に渡仏します。パリでの滞在を通じて、ルドンをはじめとする西洋画家たちの影響を受けながら、自身の芸術観を深めました。

1956年に南画廊の開廊展として「駒井哲郎展」が開催され、名実ともに日本の銅版画の第一人者となりました。1972年には母校である東京藝術大学の教授に就任し、後進の指導にも力を注ぎました。

1976年、56歳という若さで亡くなりましたが、銅版画に生涯を捧げた一途な姿勢と、幻想と詩情に満ちた作品は、今も多くの人々を魅了し続けています。

お客様からはシート状で買取をさせていただきましたが、素敵な作品でしたので額装をすることにいたしました。先日出来上がってまいりましたので早速飾ってみたところ、やはり素敵でした。

線描の明快さと構成のバランスが際立っており、木々の姿が静かに描かれています。枝の交錯と重なりが複雑に組み合わされ、無音の森の静謐な空気を感じることができますね。

木々が描かれているだけではなく、沈黙の中に潜む詩のようなものまで聞こえてくるようです。

北岡技芳堂では駒井哲郎の油彩・デッサン・銅版画などの査定・買取を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

絵画の買取につきましては、よろしければこちらもご覧ください。
https://gihodo.jp/kaiga-top/

 

【駒井哲郎 略歴】

1920年
6月14日、東京都中央区に生まれる

1923年
関東大震災に遭い、五反田にあった家へ移る

1934年
麹町の室内社画廊でメリオン、ホイッスラー、ムンクなどの銅版画を見る 
西田武雄主宰のエッチング研究所で銅版画技法を学ぶ

1938年

慶應義塾普通部卒業 
東京美術学校油画科に入学

1941年
第4回文展に銅版画が入選 
この頃より麻布桜田町に住む

1942年
東京美術学校油画科卒業

1943年
東京外国語学校フランス語専修科卒業

1944年
平田重雄に建築設計を学ぶ 
応召される

1945年
復員後、軽井沢の疎開先で油絵と銅版画を制作 
年末から世田谷区駒沢に居住

1948年
日本版画協会展に戦中・戦後制作の銅版画を初出品し受賞 
恩地孝四郎らに注目され、会員に推挙される

1950年
春陽会展に初出品・受賞 

1951年
第28回春陽会展に10点出品し会員となる 
第1回サンパウロ・ビエンナーレで『束の間の幻影』が受賞 

1952年
第2回ルガーノ国際版画展で優秀賞 
実験工房に参加

1953年
第2回日本国際美術展、サンパウロ・ビエンナーレ出品 
資生堂画廊で初個展 
日本銅版画家協会設立に参加し理事となる

1954年
養清堂画廊で個展開催 
3月渡仏、長谷川潔を訪問 
パリ国立美術学校ビュラン教室に入る

1955年
レバークーゼン美術館「パリの日本人画家展」
リュブリアナ国際ビエンナーレに出品 
12月帰国

1956年
第2回現代日本美術展に出品 
南画廊で個展開催 
久保貞次郎と知り合う

1957年
日本国際美術展に「或る終曲」出品 
小山正孝と詩画集『愛しあふ男女』を刊行

1958年
現代日本美術展に「夜の森」「樹木」出品 
ヨーロッパ巡回日本現代絵画展に出品 
南画廊で個展 
安東次男と出会う

1959年
日本国際美術展でブリヂストン美術館賞を受賞 
サンパウロ・ビエンナーレに出品 
再渡仏

1960年
南画廊で個展 
現代日本美術展に出品 

1962年
東京芸術大学・多摩美術大学の非常勤講師となる 
フィレンツェ美術アカデミア名誉会員

1963年
10月20日交通事故に遭い両下肢骨折、
約1年間、療養生活に専念する

1964年
詩画集『距離』『断面』を刊行

1965年
日本国際美術展に「大洪水」出品

1967年
日本国際美術展 東京国立近代美術館の展覧会に出品

1968年
石川淳の舞台『一目見て憎め』の装置・衣裳を担当

1969年
『季刊芸術』に「銅版画の技法」を連載開始

1970年
自由が丘画廊で個展 
野間宏、埴谷雄高、金子光晴の著作のため銅版画制作

1971年
東京芸術大学助教授に就任 
金子光晴との展覧会開催

1972年
東京芸術大学教授となる

1973年
自由が丘画廊・渋谷西武百貨店で個展 
詩画集『蟻のいる顔』刊行 
『駒井哲郎銅版画作品集』刊行

1975年
7月渡仏 長谷川潔を再訪 
11月パリの展覧会に招待出品 
自由が丘画廊で個展

1976年
11月20日死去(享年56) 
遺作集『銅版画のマチェール』刊行 
「師・駒井哲郎に捧ぐ展」開催

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