買取実績

買取実績

蒔絵印籠 松島の景

工芸品

蒔絵印籠 松島の景

買取地区:
春日井市
買取方法:
店頭買取

参考価格¥50,000

蒔絵の印籠を買取いたしました。奥州松島を、蒔絵で緻密に表現しています。古くは平安時代から人々の心を魅了し続けてきた松島の絶景は、歌に詠まれたり、絵画に描かれてきました。

松島は大小260余りの島々からなっていますが、その中の一つに雄島という島があります。歌枕として有名で、平安時代後期には霊場として栄えました。

奥の院と呼ばれる雄島は極楽浄土に近い場所として、全国から遺骨が運ばれ埋葬されるという風習が、平安から明治まで続いていました。

また、諸国から僧や巡礼者たちが足を運ぶ修行場でもあった雄島には、22年間住んだ頼賢(らいけん)という僧がいました。22年間、一度も島を出ることなく法華経を唱え続けた頼賢の徳行を伝えるため、1307年に弟子が建立した「頼賢の碑」は、国の重要文化財に指定されています。

そんな雄島を歌枕とした有名な歌があります。

「みせばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞぬれし 色はかはらず」

この歌を詠んだ殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ・1131年頃~1200年頃)は、平安末期の歌人で、女房三十六歌仙の一人に数えられる人物です。

【現代意訳】
色が変わってしまった(血の涙で濡れた) わたしの袖をあなたにお見せしたいものです。あの雄島の漁夫の袖でさえ、毎日波しぶきに濡れていても、少しも変わらないものなのに。

こちらは恋の和歌ですが「本歌取り」という技法がとられています。 本歌取りは、古い和歌の一部や言葉を取り入れ、新しい解釈や表現を加える技法です。

殷富門院大輔の歌の本歌は、源重之(平安時代中期~1000年頃)が詠んだ歌です。

「松島や 雄島の磯にあさりせし あまの袖こそ かくは濡れしか」

【現代意訳】
松島にある雄島の漁夫の袖と同じくらい、わたしの袖は涙で濡れています。

恋の苦しみで涙が止まらず、袖が濡れてしまったことを、雄島の漁師の袖と対比させることで表現しています。

重之の和歌では「袖は濡れただけ」ですが、殷富門院大輔は「袖が濡れただけでなく、色まで変わってしまった」と強く表現しており、重之の和歌への返歌にもなっています。

袖が血の色に染まるというと恐ろしさも感じますが、平安時代の和歌では、涙が枯れるほど泣き続けると「血の涙」になると表現されることがよくありました。

今でも「血の涙」という表現は使われますが、もとは漢詩文で「血涙(紅涙)」という表現が用いられており、その影響を受けたものだそうです。

相手のつれなさを嘆き、血の涙を流すくらいの思いをしたという強烈な恋の苦悩を表現していますが、皆様は血の涙を流されたことはありますでしょうか。

江戸時代になると、伊達政宗が5年の歳月をかけ創建した瑞巌寺をはじめ、様々な寺院が建ち、松島を訪れる⼈も多くなっていきました。名所を書いた本も多く出されるようになり、その中でも有名なのが、松尾芭蕉の『奥の細道』です。

松尾芭蕉と松島といいますと、あまりにも有名な俳句が思い浮かびますね。

「松島や ああ松島や 松島や」

近年の研究では、松尾芭蕉の時代よりも下った江戸時代後期の田原坊の作ではないかとされているそうです。

宮城県にある松島は、昭和27年に国の特別名勝に指定され、広島県の宮島と京都府の天橋立に並び、日本三景の一つに数えられています。この有名な景観を一目見ようと、年間で600万人以上もの観光客が訪れています。

海に浮かぶ島々が特徴的な松島湾ですが、大小260余りの島々があり、松島湾内外にある諸島と、湾周囲を囲む松島丘陵も含めた景観を「松島」と呼んでいます。国土地理院地図によりますと、名称のある島は144、無名の島は98あるとされています。

2万年から3万年前の氷河期以降に、地殻変動での一部沈下と気候の温暖化に伴う海水面の上昇により、約5000年前に松島が現在のような地形になったと考えられています。

島のほとんどは火山灰が固まった凝灰岩と、海底の砂がたまってできたシルト岩・砂岩、礫岩などでできており、上部には松が生えて、海面に近い部分は白い岩肌が見えています。

これらは軟らかく削られやすい特徴があり、侵食に脆い岩質のため、波によって侵食されやすい地質です。湾内へ流れる大きな川は高城川のみとなりますので、川から海に流れる土砂が少なく、新たな堆積物が湾内に供給されないため、海が埋まることが避けられたものと考えられています。

松島湾内の平均水深は約2~3mと浅く、波の少ない穏やかな海で、標高10m以下の島が全体の75%を占めています。もしも温暖化で海水面がもう少し上がっていたら、多くの島は沈んでいたかもしれません。

松島は、侵食や風化作用を受けやすい地層の上に成り立っているため、長い間に風景も少しずつ変化してきたと考えられています。大地の隆起と沈下、浸食が長い月日をかけて、現在の美しい松島の姿を造り上げました。山に囲まれた海に数々の島が浮かぶ美しい風景は、訪れた人々に感動を与えています。

北岡技芳堂では、印籠、蒔絵の硯箱、文箱などの査定、買取を行っております。ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

骨董品の買取につきましては、よろしければこちらもご覧ください。https://gihodo.jp/kotto/

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

北岡技芳堂では、絵画、掛け軸、骨董品、刀剣類などの美術品全般を幅広く取り扱っております。
売却をご検討なさっているお客様や、ご実家のお片付けや相続などでご整理をされているお客様のご相談を承ります。
遺産相続に伴う評価書作成も行っております。

何から始めたらよいのか分からない場合も多いことと存じますので、
ご不明なことなどございましたら、まずはお気軽にご連絡くださいませ。
愛知県、三重県、岐阜県、静岡県を中心に、全国への出張買取も行っております。

【北岡技芳堂 名古屋店】
460-0018
愛知県名古屋市中区門前町2-10
電話:0120-853-860
営業時間:10時〜18時
定休日:日曜(出張が多いため、ご来店の際はご予約をお願いいたします)

#骨董品買取#骨董品#古美術#絵画#版画#茶道具#陶芸品#日本刀#彫刻#金#掛軸#現代アート

ツイッター facebook インスタグラム

電話でお問い合わせ

0120-853-860

フリーダイヤル受付時間

月曜日〜土曜日
10:00〜18:00

電話でお問い合わせ 0120-853-860

受付時間
月〜土曜日 10:00〜18:00
(受付時間 10:00〜18:00)

無料LINE査定 無料Web査定