買取実績

買取実績

絵画
高松次郎
「アンドロメダ A-4」 シルクスクリーン
- 買取地区:
- 各務原市
- 買取方法:
- 店頭買取
参考価格¥30,000
高松次郎「アンドロメダ A-4」のシルクスクリーンを買取いたしました。1989年の作品で、 エディションは98あります。こちらは、版画集5枚組の中の1点となります。
高松は1960年代に「影」シリーズで話題となり、不在性に焦点を当てた作品を制作してきましたが、1980年中頃より突然「形」リーズの制作を開始しました。
この謎多き「形」の作品と同時期に発表した版画作品群が、今回買取りをさせていただいた「アンドロメダ」シリーズとなります。
「アンドロメダ」版画シリーズはAからDまであり、AとBはそれぞれ5点組スクリーンプリント集 、CとDはそれぞれ6点組スクリーンプリント集となっており、いずれも制作年は1988から1989年となっております。
高松はこの頃に「色には性格がある」という言葉を残しています。様々な色彩の組み合わせや、無数の曲線が織りなす多次元的空間感覚の作品は、色の表現力を引き出すようで、これまでの高松のイメージを覆すことでしょう。
高松次郎(本名:新八郎)は、1936年に東京に生まれます。中学2年生頃、ピカソの作品を通して現代美術に興味を持つと同時に、アインシュタインを知って大きな衝撃を受けました。
1954年、東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻に入学し、小磯良平に師事します。同級生には工藤哲巳(1935-1990)、中西夏之(1935-2016)らがいました。
在学中の1956年に雑誌『近代文学』にカットを描き、この頃から「高松次郎」と名乗りました。
1958年に卒業し「第10回読売アンデパンダン展」(東京都美術館)に初出品、以降数回にわたり同展に参加します。
高松が東京藝大を卒業した1950年代後半は、日本のアートシーンでは「反芸術」のムーブメントが沸き起こっていました。
篠原有司男(1932-)や、赤瀬川原平(1937-2014)などの同世代の作家たちは、大学卒業直後からアーティストとして活動を開始していましたが、高松は一般企業に就職し、インダストリアルデザイナーとして働く道を選びました。
高松はサラリーマンとして仕事をする一方、作品を制作し、1963年に赤瀬川原平、中西夏之と「ハイレッド・センター」を結成します。
名前の由来は3人の苗字の頭文字(高=ハイ、赤=レッド、中=センター)で、3人以外にも和泉達(1940-)、刀根康尚(1935-)、小杉武久(1938-2018)らが活動に参加することもあったそうです。
ハイレッド・センターは、路上、駅構内、電車内、高級ホテルなどの公的な場所や物事を選び、それらの存在を特異に際立たせる直接行動として、ハプニング、イベントを連続して行いました。
活動期間は1年5ヶ月と短いものでしたが、銀座の路上を全身白衣で清掃したり、ビルの屋上から様々なモノを落としたりするなど、奇抜なパフォーマンスを敢行し、街頭ハプニングなど反芸術的な運動を行いました。
高松は1961年から「点」シリーズを発表、この0次元の「点」を1次元に対応させた軌跡を「紐」とし、不均等な日常性の時空間の実態を調査、顕在化する触媒として機能させ、翌年より「紐」シリーズを発表しました。
これらの「不在」によるシリーズを経て着手したのが、のちに代表作となる1964年の「影」シリーズです。
高松にとって「影」は、ありふれたものでありながら、この世界の成り立ちを考える鍵だったと考えられ、哲学や物理学からもヒントを得ていました。
未完成性にこそ可能性および未来があると考えた高松は、完成することのない永遠の「不在」を思考する過程を作品として提示しました。
1964年、画面に人間の影だけを描き、実在物と虚像の在り方を問いかける「影」シリーズの制作を開始し、個人名義で発表します。その後は、絵画の形式を持つものや、彫刻に似た立体物、文字を用いた版画や写真など、幅広い分野の作品を制作しました。
1967年からは「遠近法」のシリーズを開始し、立体作品によって視覚として感じられる遠近感と遠近法との差異を提示しています。
1968年、第34回ヴェネチア・ビエンナーレ、1970年の第10回日本国際美術展(東京ビエンナーレ)、1977年のドクメンタ6など、世界中で活動を行いました。
1970年代には、木、鉄、布、紐などの様々な物質を組み合わせ、構成する複合体のシリーズは、空間を使いながら物質とそこに働く重力の関係を注視することが意図され、インスタレーションに近い作品となっています。
1973年頃からは平面作品を中心に手がけ、その後1980年頃から鮮やかな色彩を帯びた生き物のような形象が画中を行き交う「形」シリーズを始めます。
この頃、色彩に興味を持つようになった高松にとって、色彩は触覚的で身体的なものであったといいます。日本の現代美術界にあって、終始一貫して観念性の深い知的な視覚表現を求め続けた作家でした。
没後の1999年、国立国際美術館にて「高松次郎-『影』の絵画とドローイング」展、翌年には千葉市美術館において「高松次郎 1970年代の立体を中心に」が相次いで開催されました。
北岡技芳堂では、高松次郎の絵画、立体作品、ドローイング、版画などの査定、買取を行っております。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
絵画の買取につきましては、よろしければこちらもご覧ください。https://gihodo.jp/kaiga-top/
【高松次郎 略歴】
1936年
東京生まれ
1958年
東京芸術大学卒業
1959年
第10回読売アンデパンダン展に出品
1963年
赤瀬川原平、中西夏之と「ハイレッド・センター」を結成
1965年
長岡現代美術館賞展で優秀賞
1968年
第34回ヴェネツィア・ビエンナーレでカルロ・カルダッツオ賞
芸術選奨文部大臣新人賞受賞
1969年
第6回パリ青年ビエンナーレ出品
1972年
第8回東京国際版画ビエンナーレで国際大賞
1996年
「高松次郎の現在」開催
1997年
ドクメンタ6(ドイツ、カッセル市)に出品
1998年
東京都三鷹市で死去
1999年
「高松次郎―「影」の絵画とドローイング」(国立国際美術館)開催
<パブリック コレクション>
神奈川県立近代美術館
国立国際美術館
高松市美術館
東京国立近代美術館
東京都現代美術館
富山県立近代美術館
新潟市美術館
兵庫県立近代美術館
ふくやま美術館
三鷹市 横浜美術館
ダラス美術館(USA)
Le Musee de l’Objet ,Blois(France)
ニューヨーク近代美術館(USA)
グッゲンハイム美術館・ニューヨーク(USA)
テート・モダン・ロンドン(UK)等
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
北岡技芳堂では、絵画、掛け軸、骨董品、刀剣類などの美術品全般を幅広く取り扱っております。
売却をご検討なさっているお客様や、ご実家のお片付けや相続などでご整理をされているお客様のご相談を承ります。
遺産相続に伴う評価書作成も行っております。
何から始めたらよいのか分からない場合も多いことと存じますので、
ご不明なことなどございましたら、まずはお気軽にご連絡くださいませ。
愛知県、三重県、岐阜県、静岡県を中心に、全国への出張買取も行っております。
【北岡技芳堂 名古屋店】
460-0018
愛知県名古屋市中区門前町2-10
電話:0120-853-860
営業時間:10時〜18時
定休日:日曜(出張が多いため、ご来店の際はご予約をお願いいたします)
#骨董品買取#骨董品#古美術#絵画#版画#茶道具#陶芸品#日本刀#彫刻#金#掛軸#現代アート