買取実績

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杉本健吉「白牡丹」リトグラフ

絵画

杉本健吉
「白牡丹」リトグラフ

買取地区:
東海市
買取方法:
店頭買取

参考価格¥3,000

杉本健吉のリトグラフを買取いたしました。杉本は、牡丹の花を好んで何度も描いています。牡丹を描くようになったのは60歳を越えてからのことで、油彩、水彩、墨絵など様々な方法で描いています。

杉本の油彩画は、20年ほど前には100万円を超えておりましたが、現在では5分の1ほどの価格となっております。水彩画やパステル画、版画作品などもございますが、油彩画の評価が一番高いです。

杉本健吉(すぎもと けんきち)は、日露戦争の終わった年の1905年に、名古屋市矢場町(現:中区栄三丁目)に生まれました 。幼少期から絵を描くのが好きで、1918年に愛知県立工業学校の図案科に入学します。

1925年に京都の岸田劉生を訪ねて師事、画家を志すかたわら、1927年に図案家として独立しました。岸田の没後、1935年には洋画家・椿貞雄の紹介で梅原龍三郎を訪ね私淑しています。

1937年の国画会展では賞を獲得しますが、絵だけでは生活することができず、昼間はデザイン会社で働き、深夜に絵を描く生活をしていました。

1940年頃から大和の風物に魅せられ、訪れるようになった奈良では、幅広い人間関係を築きました。

1949年、44歳の時に一念発起し、家族を名古屋に残して単身奈良に移り、絵の制作に徹する決心をします。華厳宗の僧・上司雲海の知遇を得て、東大寺観音院の古い土蔵をアトリエとして使うようになりました。

ここで歌人・會津八一や写真家・入江泰吉らと出会います。これらの交流の中から、吉川英治の連載小説『新・平家物語』の挿絵を担当することとなり、杉本健吉の名前は全国的に知られるようになりました。

1951年に青栁総本家のカエルマークを、1956年には市営地下鉄のマークをデザインするなど、地元名古屋を中心に優れた図案家としても活躍しました。

市営地下鉄のマークは、この辺りの方でしたら馴染みのあるものではないでしょうか。トンネルとレールをあらわすと共に、名古屋市のマークである「八(まるはち)」を図案化しており、シンプルな作りですが一目で地下鉄と分かるデザインになっています。

1987年には、杉本美術館が愛知県知多郡美浜町に開館しました。この時、80歳を越えていましたが、館内にあるアトリエに足繁く通い、精力的に作品を制作していました。こちらの美術館は、残念ながら2021年に閉館しています。

66歳で画壇を離れ、自由な創作活動を開始します。杉本は、1997年に完成した名古屋能楽堂に、舞台背景となる鏡板を寄贈しました。しかし描かれたのは600年の伝統に基づく老松ではなく、前代未聞の若松です。伝統とは何かを問いかけているそうですが、歴史と伝統を重んじる世界ではそうもいかずに物議を醸しました。

この問題に対して「名古屋能楽堂に老松の鏡板を寄贈する会」が設立され、松野秀世に従来通りの老松図の制作を委嘱します。その結果、両方の鏡板を年替わりで展示することで、伝統と革新の調和が図られることとなりました。

転倒して利き手である右手を骨折したときも、「杉本左吉」と称して左手で描き続けていましたが、2004年肺炎のため98歳で亡くなりました。

北岡技芳堂では、杉本健吉の油彩画、水彩画、墨絵、リトグラフなどの作品の査定、買取を行っております。ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

絵画の買取につきましては、よろしければこちらもご覧ください。https://gihodo.jp/kaiga-top/

【杉本健吉 略歴】

1905年
名古屋市に生まれる

1923年
愛知県立工業学校図案科卒業

1925年
岸田劉生に師事

1926年
第4回春陽展に初入選

1927年
主に鉄道関係の観光ポスターを作る

1928年
初個展(津島公会堂/愛知)

1929年
デザイン事務所を開設する

1931年
第6回国画会展に初入選
以後出品を重ねる

1937年
第12回国画会展 国画奨学賞受賞

1942年
第5回新文展で特選受賞
46年第2回日展で同賞受賞

1940年
この頃から大和の風物に魅せられ、奈良に通い始める

1943年
第7回佐分賞受賞

1948年
第1回中日文化賞受賞

1950年
週刊朝日の吉川英治作「新・平家物語」挿絵を担当する

1953年
愛知県県政功労者

1954年
第1回現代日本美術展

1958年
「私本太平記」(作・吉川英治,『毎日新聞』)、「新・水滸伝」(作・吉川英治,『日本』,講談社)の挿絵を手がける

1960年
近代日本の素描-アメリカ巡回展国内展示(国立近代美術館)

1962年
インド、中近東、南ヨーロッパに初めて海外旅行
以後、世界各地にスケッチ旅行を重ねる

1977年
ヒマラヤ美術館(愛知)開館、杉本健吉展示室が開設

1983年
大阪四天王寺「聖徳太子絵伝」完成

1987年
杉本健吉美術館(愛知)開館

1993年
中国(北京)で吉川英治記念館・講談社等の主催で「日本画家・杉本健吉画展」を開催

1994年
個展(愛知県美術館)

2003年
個展(奈良県立美術館)

2004年
肺炎のため逝去、享年98歳

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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。

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