藤田嗣治のリトグラフを買取いたしました。こちらは1963年の作品となり、エディションは150で、藤田の直筆サインも入っております。少女がパンを抱えているとても可愛らしい図柄です。

長い間、湿度の高い場所にしまったままとのことで、全体的にシミが出ていたり変色しておりました。また、エディションがEAでございましたので、今回の査定額とさせていただきました。

藤田嗣治（レオナール・フジタ）は、1886年に東京に生まれます。東京美術学校（現・東京藝術大学）西洋画科を卒業後、単身フランスに渡り、モディリアーニ、キスリングらと親交を結びました。

第1次大戦下にはパリにとどまり、辛苦の生活を2年ほど送ります。

1919年頃から「素晴らしい白地」と賞讃された藤田独自の乳白色の下地に、繊細な描線で描いた作風を展開させて、藤田の名声は急速に高まりました。

20世紀初頭に芸術の都パリで旋風を巻き起こし、ピカソに「彼こそ真の天才」と言わしめ、モディリアニらとともにエコール・ド・パリの代表的画家として活躍しました。

1942年に戦争記録画取材のため、軍より東南アジア各地へ派遣されて戦争画を制作しましたが、戦後は画壇から戦争協力者として批判を浴び、日本を離れパリへと帰国します。

1955年にフランス国籍を取得、1959年にはランス大聖堂でカトリックの洗礼を受けます。藤田は、再び日本の土を踏むことはありませんでした。

1966年、ランスのノートルダム・ド・ラ・ペ・フジタ礼拝堂を自ら建設し、1968年に81歳で亡くなりました。

裸婦に代表される「乳白色の肌」の優美な美しさは、世界中の人々の心をとらえました。

1926年にルクサンブール美術館に収蔵されて以来、ルーヴル美術館、ニューヨーク近代美術館、パリ国立近代美術館など各国の美術館に藤田の作品は所蔵されています。

北岡技芳堂では、藤田嗣治の油彩画、水彩画、水墨画、リトグラフなどの作品の査定、買取を行っております。

技法や図柄、制作年、状態などによっても査定額は異なってまいりますので、ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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【藤田嗣治 略歴】

1886年
東京に生まれ

1910年
東京美術学校西洋画科を卒業

1913年
フランスに渡る
ピカソ、モディリアニ、スーチンらと知り合う

1917年
パリのシェロン画廊で初個展開催

1919年
サロン・ドートンヌに初入選し、会員に推挙
その後、サロンに出品を続ける一方、パリのほかブリュッセル、アントワープ等で個展を開催する

1931〜33年
パリを離れ、ブラジル、アルゼンチン、ペルー、ボリビアを訪ね、メキシコを経由してアメリカに入る

1933年
日本に帰国する

1934年
二科会会員となる
戦時中は従軍画家として活躍

1949年
ニューヨークのブルックリン美術館付属美術館の教授として招かれる

1950年
パリに移る

1955年
フランス国籍を取得する

1959年
カトリックの洗礼を受ける

1966年
ランスのノートル＝ダム・ド・ラ・ペ礼拝堂のフレスコ画を制作する

1968年
チューリッヒの州立病院で死去、享年81歳

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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。

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