中島潔の木版画「風のかおり」を買取いたしました。NHK「みんなのうた」のイメージ画を手がけていましたので、どこかで見たことのある画風だなと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

女性の表情が儚げで、後ろに描かれている椿の赤も印象的です。花の香りが風に乗り、こちらまでやってきそうですね。

椿の花言葉は『控えめな優しさ』『気取らない優美さ』などがあり、こちらの作品の雰囲気にもぴったりです。

椿の種類は、世界に約5000種もあるといわれており、現在でも品種改良が進んでいるそうです。それぞれ色や形が異なり、品種によって開花時期にもかなり開きがあります。

主な品種は冬から春にかけて咲きますが、早秋咲きといわれる9月〜10月に咲き始める品種もありますので、異なる品種を植えておくと長い間楽しむことができますね。

愛知県の椿の名所はどこか調べましたところ、アジサイ寺で有名な三河の本光寺に、約400種類の多様な椿が2月中旬から3月下旬に見られるとのことで、椿の郷とも称されているそうです。

また熱田神宮には、樹齢300年の江戸時代中期から自生している椿があります。別宮境内にある太郎庵椿（たろうあんつばき）は、秋から冬の終わりに淡紅色の花を咲かせます。

高田太郎庵がこよなく愛したことから、太郎庵椿という名前が付いたと言われています。太郎庵は江戸中期の茶人で、名古屋の古渡に住んでいました。

太郎庵椿はヤブツバキという品種の一種ですが、全国的に珍しく数少ない貴重な銘木とのことです。

ヤブツバキを代表とするツバキは、日本の有名な花木の一つです。古くは古事記や万葉集の時代から江戸期を経て現代まで、日本人の生活や文化と深く関わってきた植物です。

田舎育ちのため、小学校の通学路に植っていた椿の蜜を友人と吸いながら帰っていたことを思い出しました。

【中島潔 略歴】

1943年　
満州生まれ

1944年　
両親の故郷、佐賀へ戻る

1961年　
佐賀県立唐津西高校卒業後上京
独学で絵の勉強を続ける

1964年　
広告会社に就職
アートディレクターとして数々の賞を受賞

1971年
フランス・パリの美術学校で学ぶ。 　

1982年 　
NHK「みんなのうた」のイメージ画を手がける
東京小田急百貨店で初の個展開催

1987年　
ボローニャ国際児童図書展で絵本「木霊みょうと」がグラフィック賞受賞

1990年　
北京の故宮にて海外展開催

1998年　
画業30年記念で「源氏物語54帖」完成

1999年　
NHKにて「郷愁・中島潔の世界」(春夏秋冬四部作)を制作・放送

2001年 　
パリ・三越エトワール美術館にて海外展開催

2003年　
東京メトロ半蔵門線開通を記念して、新四駅にアートレリーフを制作

2007年　
東京・上野の森美術館にて「絵筆でつづる四半世紀展」開催

2010年　
京都・清水寺成就院に「生命の無常と輝き」襖絵46枚を奉納

2011年　
「清水寺成就院奉納襖絵─生命の無常と輝き展─」開催

2015年　
4月、京都・六道珍皇寺にて「中島潔　地獄心音図完成特別公開」展開催

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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。

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