竹内栖鳳の掛軸を買取いたしました。作品名は「冬田（ふゆた）」です。俳句の季語では、冬の荒れ田、稲刈りの後の荒涼とした田のことを指します。

雪の重みから枝が折れることを防いだり、寒さに弱い植物を守るための藁ぼっちの上に描かれた二匹の雀が、何やら会話をしているようです。

栖鳳が身近な小動物の中で特に好んで描いたのが雀でしたが、作品の中にはよく登場していますね。

竹内栖鳳は、1864年に京都の料亭の子として誕生しました。幼い頃から絵が好きだったといいます。17歳の時、四条派の幸野楳嶺へ弟子入りして画業を始めました。

四条派の画法を着実に学びながらも、雪舟などの室町水墨画や円山応挙など江戸絵画の模写も多く行いました。このような古画の模写は、後に栖鳳が独自の画風を確立していく手助けとなりました。

当時から才覚をあらわした栖鳳は、楳嶺から「凄風」という雅号を授かり、楳嶺四天王の筆頭として活躍します。1887年23歳の時に、結婚を機に絵師として独立しました。

その後は数々の展覧会などで出品や受賞を重ね、また画塾・竹杖会を主宰して上村松園や西山翠嶂などの多くの優秀な門下を輩出しました。

宮内省主催の帝室技芸員に推薦されるなど、京都画壇の代表格として地位を築いていきました。終始官展にとどまり、在野の横山大観と画壇の双璧をなし「西の栖鳳、東の大観」と称さたのは有名なお話ですね。

北岡技芳堂では、竹内栖鳳の作品の査定、買取を行っております。ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

【竹内栖鳳（たけうち せいほう） 略歴】

元治元年　
11月22日京都市に生まれる

明治10年
土田英林に師事し画学修行
母きぬ死去

明治14年
幸野楳嶺の門に入る

明治15年
私塾工芸長となる

明治19年
フエノロサの美術講演を聴く

明治20年
高山奈美と結婚

明治22年
高島屋に勤務

明治23年
逸三出生

明治25年
父政七死去　享年65歳

明治28年
幸野楳嶺逝去

33年
巴里万国博「雪中燥雀」銅牌
渡欧、フランス、イギリス、ベルギー、オランダ、ドイツ、オーストリア、ハンガリー、イタリア等巡遊5ヶ月

明治34年
2月帰国
号を棲鳳から栖鳳へ改める

明治39年
姉こと死去

明治42年
京都市立絵画専門学校開校し、専任教諭となる 

大正2年
帝室技芸員となる

大正7年
小野竹喬、土田麦僊、村上華岳、榊原紫峰、野長瀬晩花ら、国画創作協会を結成し、顧問となる

大正9年
4月、中国旅行に出る（7月に帰国）

大正10年
4月、再び中国旅行（6月に帰国）

大正13年
京都市立絵画専門学校教授を辞任
フランス政府よりレジオン・ドヌール勲章授与

大正14年
勲五等に叙せられ、瑞宝章を受賞

昭和4年
夏、御池より高台寺新邸に移る
秋、肺炎を病み床に伏す

昭和5年
レジオン・ドヌール勲章受賞

昭和6年
3月、肺炎再発
療養のため神奈川湯河原へ赴き、天野屋に投宿
以後、たびたび滞在する

昭和8年
ドイツ政府よりゲーテ名誉賞を授与
竹杖会の解散式行われる

昭和9年　
天野屋に滞在し、東本願寺大寝殿障壁画を制作
同敷地内に住居「山桃庵」とアトリエを建造

昭和12年
第一回文化勲章受賞

昭和15年
最後の潮来旅行

昭和17年
1月、肺炎を発症 6月、東上して宮城を写生する
8月23日、湯河原の山桃庵にて死去。

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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。

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