買取実績

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清原啓一「マジョリカのポピー」

絵画

清原啓一
「マジョリカのポピー」

買取地区:
名古屋市内
買取方法:
店頭買取

買取価格¥80,000

洋画家・清原啓一(きよはら けいいち)の油彩画を買取いたしました。花と鶏は啓一が好んで何度も描いたモチーフです。花と鶏の作品を見比べると、同じ作家が描いた作品と思えないほど、モチーフによって表現方法を変えることのできる柔軟性を感じます。

清原啓一は、1927年に富山県砺波市に農家の長男として生まれ、豊かな水がもたらす雄大な自然の中で育ちました。1945年に富山県師範学校に入学、同校教諭の曾根末次郎に絵を学び、画家を志すようになります。

師範学校時代には、砺波市に疎開していた棟方志功の元を訪ねて教えを受けます。棟方の強烈な個性から、芸術面や精神面で学ぶことが多かったと啓一は語っています。

1948年に富山県師範学校を卒業し、曾根の計らいで新設間もない津沢中学校の教諭となりました。勤務する傍ら、週末に洋画家・川辺外治のアトリエに赴き、3年間指導を受けます。翌年、棟方志功に推されて第2回富山県観光美術展でキレイ堂賞を受賞しました。

1950年に上京し、明治大学経済学部に編入します。大学を卒業する1952年に日展に初入賞し、両親に反対されながらも東京に残り中学校教諭をしながら制作を続けることとなります。

この頃から光風会等で活躍していた伊藤四郎の紹介で、『山羊の画家』とも呼ばれていた帝国芸術院会員の辻永に師事します。辻はその名の通り、身近にいた山羊をよく描いた画家でしたが、啓一も自宅に鶏を飼いながら画題とするために、一日あたり50枚にも及ぶ写生をしたそうです。

以後は、鶏や薔薇といった花鳥画に類するモチーフに精力を注いでいきます。中でも鶏は啓一の生涯の画題となり『鶏の画家』としての道を歩み始めることとなります。

従来の花鳥画は、伝統的に日本画に多く見られるモチーフでしたが、啓一の鶏や薔薇のモチーフの追求は、日本的な世界を取り込むことによって、新しい日本の油彩の世界を拓こうとする大胆な試みでした。

1964年にヨーロッパ、エジプトなどを巡る約10ヶ月の旅に出ますが、数年後の1968年に肝臓を患い約10ヶ月の療養生活を送ります。

1973年、河口湖畔にアトリエを構えました。啓一の画風は年代と共に表現方法が変化していきますが、1970年代は、テーマが鶏を描くことから鶏で表現することに変化していきます。

1980年代後半からは日本の景観や風景といった題材に挑み、装飾にも力を入れた遊鶏図を描くようになります。1991年、郷里の剱岳に泊まり込みで一週間の取材を敢行し連作に取り組みます。ヨーロッパ旅行後は鮮やかな色面構成を好んだ時期もありましたが、この頃は一旦落ち着きを見せました。

2000年代は芸術性も成熟して極まってきた時代になります。日本の四季感を取り込みつつ、自身の中で象徴的な存在となった鶏をうまく調和させた豊かで美しい絵画表現へと変化していきます。2008年、肝細胞癌のため死去、享年81でした。

 

【清原啓一 略歴】
 
1927年 富山県砺波市生まれ

1952年 明治大学政経学部卒業、日展『椅子による女』が初入選

1959年 光風会会員推挙、日展『群鶏』特選

1964年 光風会50回記念展『鶏』記念会員賞

1967年 安井賞展『群鶏』出品、昭和会員展招待出品

1975年 日展審査員を務める

1976年 日展会員推挙

1994年 日展『散策』内閣総理大臣賞、富山県功労表彰

2002年 日本藝術院賞・恩賜賞受賞、日本藝術院会員に任命される

2003年 日展常務理事となる

2007年 旭日中綬章を受章

2008年 日展顧問となる、富山県立近代美術館にて回顧展、 10月11日 逝去

2010 年 砺波市美術館にて遺作展が開催される

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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。

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