買取実績

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鉄瓶・銀瓶
石黒光南
「純銀製 玉霰紋湯沸」
- 買取地区:
- 犬山市
- 買取方法:
- 出張買取
参考価格¥300,000
石黒光南の「純銀製玉霰紋湯沸」を買取いたしました。石黒光南は、1914年から現在にかけて二代にわたって、端正な銀瓶や金瓶の制作で高い評価を受けてきた金工の名匠です。
初代・石黒光南は1914年、富山県富山市に生まれました。1928年、わずか14歳で金工の道へ進み、当時の帝室技芸員・平田宗幸の高弟であった河内光明の門下に入門します。
高度な鍛金技術を学び、修業を重ねた後、1946年に「光南」の号を受けて独立します。その後も精力的に制作を続け、1980年には通商産業省(現在の経済産業省)より伝統工芸士の認定を受けました。
受賞歴も華やかで、内閣総理大臣賞、通商産業大臣賞、東京都知事賞など数々の栄誉に輝き、その卓越した技術と造形美は高く評価されています。
現在は、1942年生まれの二代・石黒昭雄がその名跡を継ぎ、「石黒光南」を名乗って制作活動を行っています。父から受け継いだ技術と美意識を守りつつ、さらに現代的な感性を加えながら、茶道具や香炉、銀瓶、酒器などの制作を手掛けています。
石黒光南の名を語るうえで欠かせないのが「霰(あられ)打ち」と呼ばれる鍛金技法です。特に、表面に規則正しく打ち出される「玉霰(たまあられ)」と呼ばれる細かな突起は、熟練の技術がなければ成しえない表現とされており、初代・二代ともにこの技法を得意としています。
霰打ちの制作では、細かな突起を一つひとつタガネで打ち出していく工程をすべて手作業で行い、突起の先を鋭く仕上げながらも、本体に穴を開けることなく美しく整えるという、高度な技巧が求められます。
熟練の職人であっても長時間の集中力が必要とされるため、この技術を完全なかたちで継承している作家は、現在ではごくわずかといわれています。霰以外の工程もほぼ手作りで制作し、本体を成型する工程は、一人で一貫して行なっているとのことです。
近年市場に流通している作品の多くは、二代目・石黒光南によるもので、その精緻な仕上がりと完成度の高さから人気が高まっています。特に銀瓶は茶道具愛好家や骨董収集家の間で高く評価され、オークションでも注目される存在となっています。
石黒光南は、初代・二代を通じて、金銀製品制作の第一人者と評される存在であり、その技術と美意識は今も脈々と受け継がれています。伝統と革新が調和するその作品群は、単なる実用品にとどまらず、工芸美術としての価値を持つ逸品として、多くの人々を魅了し続けています。
北岡技芳堂では、石黒光南の銀瓶、湯沸、急須、水指、酒器、茶筒などの査定、買取を行なっております。その他の作家の作品もお取り扱いしておりますので、ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
【初代・石黒光南(石黒憲次郎)略歴】
1914年
富山県富山市に生まれる
1928年
帝室技芸員・平田宗幸の高弟、河内光明の門下に入り鍛金技法を修得
1946年
「光南」の号を受ける
1953年
埼玉県浦和市にて有限会社 東浦銀器製作所を設立
1980年
通商産業省より伝統工芸士の認定を受ける
受賞歴
内閣総理大臣賞、通商産業大臣賞、東京都知事賞などを受賞
【二代・石黒光南(石黒昭雄)略歴】
1942年
埼玉県浦和市(現さいたま市)に生まれる
1965年頃
明治大学卒業後、父・初代光南に師事し金属工芸の道へ進む
1990年
国の伝統工芸士に「東京銀器」の部門で認定される
以降
東京都の伝統工芸士に認定、日本伝統工芸展、伝統工芸新作展などに入選
「新しい銀器のかたち」を模索しながら、銀瓶や香炉など多数の作品を制作
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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。
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北岡技芳堂では、絵画、掛け軸、骨董品、刀剣類などの美術品全般を幅広く取り扱っております。
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