買取実績

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絵画
中川一政 短冊
「萬葉集 遣唐使之親母」
- 買取地区:
- 名古屋市内
- 買取方法:
- 店頭買取
参考価格¥70,000
中川一政の短冊を買取いたしました。東美鑑定評価機構 鑑定委員会の鑑定書付きです。万葉集第九巻の相聞歌(そうもんか)1791の歌が書かれています。
「客人之 宿将為野尓 霜降者 吾子羽褁 天乃鶴群」
【よみ】
旅人の 宿りせむ野に 霜降らば 我が子羽ぐくめ 天の鶴群
たびびとの やどりせむのに しもふらば わがこはぐくめ あめのたづむら
【現代語訳】
旅をする人が野宿する野に霜がおりたら、私の息子をその羽で守ってあげて、空ゆく鶴の群よ
これは、天平5年(733年)、遣唐使船が難波を出発する際に、ある遣唐使の母が息子の無事を願って詠んだ歌です。
当時の遣唐使の旅は、嵐や病、異国での困難に満ち、多くの命が失われる過酷なものでしたので、息子を送り出す母の想いは計り知れません。
この歌は、貴族だけでなく庶民までもが詩歌を詠んだ古代日本の文化の豊かさを物語ると同時に、いつの時代も変わらぬ親の愛情を私たちに教えてくれます。
中川一政は1893年に東京市本郷に生まれ、幼少期から詩や文学に親しみ、青年期には詩人として活動を始めました。10代で短歌や散文を文芸誌に発表し、20代には詩集も刊行されるなど、早くから文才を発揮していました。
しかし、一政は進路に迷い悩む日々を過ごしていました。そのような時、転機が訪れます。1914年、初めて描いた油彩画《酒倉》が巽画会展に入選し、翌年には《霜のとける道》で二等賞を受賞、画家としての道を歩み始めます。
その後、岸田劉生らと草土社を結成し、ゴッホやセザンヌの影響を受けながら独学で画技を磨き、1922年には春陽会の創立に参加します。一政は油彩画のほか、書籍の装丁や挿絵、随筆など多方面にわたる創作活動を展開しました。
戦後は神奈川県真鶴町に拠点を移し、漁村・福浦の風景を描いた連作を通じて、厚塗りの絵肌と渋みのある色彩による独自の画風を深めていきます。
1960年代以降は、箱根・駒ヶ岳を主題とする風景画を手がけ、現場での写生にこだわりながら、100号の大作でもその場で描きました。また静物画にも積極的に取り組み、晩年には薔薇や椿といった花々を題材に、生命力に満ちた画面を展開します。絵画だけでなく、書や陶芸、水墨岩彩にも活動の幅を広げ、いずれの分野でも比類ない世界観を築きました。
1975年82歳のときに文化勲章を受章、1986年に母の出身地・石川県松任市(現・白山市)に最初の個人美術館が開館し、1989年には真鶴町にも美術館が設立されました。一政は1991年に97歳で亡くなる直前まで創作を続け、独学で培われたその芸術は今もなお、多くの人々に深い感銘を与え続けています。
北岡技芳堂では、中川一政の油彩、水彩、エッチング、セラミックの査定、買取を行っております。ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
【中川一政 略歴】
1893年
東京市本郷に生まれる
1914年
巽画会展に出品した作品が岸田劉生に見出され画家を志す
1915年
草土社を結成
1920年
初の個展(油彩)を開く
千家元麿・宮崎丈二らと雑誌『詩』を創刊
1922年
小杉放庵らと春陽会の設立に参加
1923年
伊藤暢子(伊藤為吉の娘)と結婚
1931年
水墨画の個展を開く
1949年
神奈川県足柄下郡真鶴町にアトリエを構える
1961年
宮中歌会始の召人となる
1975年
文化勲章を受章
文化功労者表彰を受ける
1984年
東京都名誉都民に顕彰される
1986年
石川県松任市(現・白山市)に松任市立中川一政記念美術館が開館
1989年
神奈川県真鶴町に真鶴町立中川一政美術館が開館
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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。
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