買取実績

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陶芸品
岡本太郎 オブジェ
「太陽の塔 過去の顔」
- 買取地区:
- 名古屋市内
- 買取方法:
- 店頭買取
参考価格¥10,000
現在開催中の大阪・関西万博ですが、皆さまはご覧になりましたか?会場の熱気や未来感あふれる展示の数々に、ワクワクが止まらなかった方も多いのではないでしょうか。
そんな今だからこそ、あらためて振り返りたいのが、1970年の大阪万博です。そしてその象徴ともいえる岡本太郎の《太陽の塔》のオブジェを買取いたしました。
今回買取をさせていただいたオブジェは、そのうちの「過去の顔」と言われている黒い太陽をモチーフにした立体作品です。
制作年は1970年で、信楽焼でできているため、ずっしりとした重さがあります。
簡略化された幾何学的造形と力強い対称性が特徴で、神秘性を湛え、原始の力や太古の記憶を呼び起こすような強いインパクトを持っていますね。
1970年の大阪万博(日本万国博覧会)で制作された岡本太郎の代表作《太陽の塔》には、3つの顔が存在します。
頂部の「黄金の顔」は未来を、正面中央の「太陽の顔」は現在を、背面に設けられた「黒い太陽」は過去を象徴しています。
さらに、万博当時は地下展示ゾーンに「地底の太陽」と呼ばれる高さ約3メートル、幅11メートルもの巨大な顔も展示されていましたが、博覧会終了後に行方不明となり、現在もその所在は不明とのこです。
太陽の塔は、鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせた構造で、一部には軽量化のため吹き付けコンクリートも使用されています。
内部は空洞で、当時は地下展示と空中展示を結ぶ動線として機能しており、「生命の樹」と呼ばれる巨大展示が塔の内部空間に立ち上がっていました。これは生命進化の過程をたどるもので、岡本が一貫して追求していた“生命の根源的な力”を象徴する空間でもありました。
万博終了後、内部は長らく非公開となっていましたが、2003年に一部公開、そして2016年から始まった耐震補強と展示復元工事を経て、2018年3月19日より一般公開が再開されました。
1970年、大阪・吹田市で開催された大阪万博は、戦後復興をアピールする国家的プロジェクトとして実施され、会期183日間で延べ6421万人が来場する大成功を収めました。
その博覧会のシンボルとして建てられたのが、芸術家・岡本太郎による《太陽の塔》です。岡本はテーマ館プロデューサーとして、太陽の塔を中核とするシンボルゾーンを設計しました。
このゾーンには塔のほかに「母の塔」「青春の塔」、そして建築家・丹下健三が設計した巨大な「大屋根」が存在しました。太陽の塔は、大屋根の中心に立ち、高さ約70メートルで空へ向かってそびえ立っています。
当初、万博のテーマ展示は、丹下が設計した全長約300メートル、幅100メートルにもおよぶ「大屋根」の下に収められる予定でした。大屋根は軽やかで洗練されたスペースフレーム構造で、美しく均整の取れた未来的デザインが評価されていました。
ところが、テーマプロデューサーとして参加していた岡本太郎が、大屋根を打ち破る塔を建てたいと言い出します。しかもその塔は70メートルの高さで、高さ30メートルの大屋根を突き抜けて立ち上がるというものでした。
この突飛なアイデアに、関係者たちは驚愕します。丹下も寝耳に水だったとされ、大屋根の設計締切まで残り2ヶ月という段階での話でした。しかし丹下はこの案を受け入れました。
その背景には、両者の思想的共鳴があったといわれます。以前から旧東京都庁の壁画制作などで協力関係にあった二人ですが、縄文的な造形を追求する岡本と、洗練された都会的な建築を弥生的建築と言われることのある丹下は、対比の中に共通の美意識を持っていたとされています。
1970年の大阪万博が閉幕した後、多くのパビリオンや施設は、万博一般規則に基づき6カ月以内の撤去を義務づけられていました。
《太陽の塔》も例外ではなく、閉幕後に解体される予定で、意外なことに岡本太郎自身もその方針に強く反対していなかったそうです。
岡本はもともと「作品は完成した瞬間から過去のもの」と考えており、どんなに力を注いだものであっても執着せず、変化を受け入れる姿勢を貫いていました。
しかし万博閉幕後、大阪万博記念公園事務所には、多くの要望書が寄せられました。こうした民意に触れるなかで、岡本太郎の心にも変化が生まれていきます。
その後、1975年1月23日、太陽の塔の永久保存が正式に決定されました。
これは万博一般規則を覆す異例中の異例の判断であり、芸術が人々の声によって守られた象徴的な出来事となりました。
あれから半世紀以上が経ち、塔は老朽化や耐震基準の変化に直面しましたが、2016年からの大規模な耐震補強と展示空間の復元工事を経て、2018年に再び内部公開が始まりました。
太陽の塔は今もなお、岡本太郎の思想と芸術が息づく建築彫刻として、訪れる人々に強いインパクトと問いかけを投げかけ続けています。それは単なる「万博の記念物」ではなく、「生命の祭り」の象徴であり、日本美術史に残る永遠のランドマークです。
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