遠藤兆映のレリーフを2点買取いたしました。こちらは2点ともK24でございましたので、今回の査定結果とさせていただきました。

K24で思い浮かべますのは、リングやメダル、バーなどの比較的分かりやすい形をしたものではないでしょうか。こちらは額装されて絵画のような形状となっておりましたが、しっかりと造幣局の刻印が入っております。

遠藤兆映は、1927年に福島県伊達郡藤田町（現・国見町）に生まれます。幼少の頃より彫刻の世界に興味を持っていたといいます。

20代後半までは独学で技術を磨いていましたが、1956年に人間国宝・海野清から技術を継承し、後の文化功労者となる帖佐美行に出会い師事します。

帖佐美行のもと鍛錬を積み、遠藤の才能は開花していきました。1957年、第43回光風会展及び第13回日展にて初入選を果たします。その後も受賞を重ね、知名度を高めていくこととなります。

日展を始めとした多くの賞を受賞したことで認められ、1979年に日本新工芸家連盟にて総務委員長、さらに1983年には同連盟の理事就任と日展評議員を務めました。また、後進の育成も精力的に行っていたそうです。

遠藤の作品は、大胆さと繊細さを兼ね備えたものが数多く見られます。今回買取させていただいた彫金の作品は、繊細な彫りにより優美さを醸し出しています。純金ということもあり、輝きが違いますね。

彫金は、奈良時代から日本に伝わる伝統技法で、鎌倉・室町時代に発展し、主に鎧や兜、刀の装飾に使われていた技術です。繊細で美しい技術は、やがて武士から町民の間にも広がっていき、かんざしや帯留め、煙管などにも転用され、広く利用されていきました。

鏨（タガネ）と呼ばれる金属用の彫刻刀を一打一打金槌で叩きながら、加工する金属製品の表面に模様を彫り入れていくため、他の技術で難しい細かく繊細な装飾が可能になります。

彫金は金属製品の装飾に幅広く使用されており、身近なものではジュエリーや寺社仏閣、お神輿、五月人形の装飾などがあります。

北岡技芳堂では、金、銀、プラチナなどの貴金属の査定、買取を行っております。純度がご不明な場合でもお調べいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

貴金属の買取につきましては、よろしければこちらもご覧くださいませ。https://gihodo.jp/gold-kaitori/

【遠藤 兆映（えんどう ちょうえい）略歴】

1927年
福島県生まれ

1928年
仙台市に転居

1956年
帖佐美行に師事

1957年
第43回光風会展、第13回日展入選

1963年
第1回現代工芸展入選
第11回日展特選・北斗賞

1966年
第52回光風会「うず」工芸会友賞・会員推挙

1972年
改組第3回日展特選

1976年
第7回日展審査員
第14回現代工芸展審査員

1977年
日展会員

1979年
日本新工芸家連盟創立会員
総務委員長

1980年
第11回日展審査員

1981年
第12回日展会員賞

1982年
第13回日展審査員

1983年
日本新工芸家連盟理事
日展評議員

1984年
第15回日展で内閣総理大臣賞

1988年
第9回日本新工芸展文部大臣賞

1992年
西武百貨店大宮店で個展

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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。

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