国吉康雄（くによしやすお）

1889年 雑貨商・国吉宇吉・以登の長男として岡山県岡山市中出石町に生まれる。

1906年 岡山県立工業学校(染繊科)を退学し、英語習得の目的で渡米。

1907年 シアトル、ロサンゼルスで就労。働きながらロサンゼルス美術学校夜間部に通う。

1910年 飛行家を志すが断念、画家になることを決意。ニューヨークへ出て美術学校にて断続的に勉強を続ける。

1914年 インディペンデント・スクール・オブ・アーツにて学ぶ。

1916年 アート・スチューデンツ・リーグに入学。ケネス・ヘイズ・ミラーらに学ぶ。

1917年 第一回独立美術家協会展に出品。ペンギン・クラブに加わりジュール・パスキンらと交友。

1918年 ハミルトン・イースター・フィールドの招きで、メイン州オグンクイットで制作。

1919年 キャサリン・シュミットと結婚。

1920年 リーグを退学。商業写真家として働きながら制作を続ける。

1922年 ダニエル画廊にて初の個展を開く。画集を出版。

1925年 渡欧。滞在期間10ヶ月の大半をパリで過ごし、新たな方向を模索。

パスキンの助言でモデルを使った制作を試みる。

1928年 再渡欧、パリに渡る。集中してリトグラフを制作。年末、ニューヨークに戻る。

12月、パリで制作したリトグラフ24点をダニエル画廊で展示。

1929年 ニューヨーク近代美術館の「現存アメリカ19人展」に選ばれる。
25年、28年の2度の渡欧後は、国吉特有のメランコリックな女性像が制作の中心になった。

1931年 帰国

1932年 アメリカに戻る。美術家団体アン・アメリカン・グループの設立に関わる。

1933年 母校アート・スチューデンツリーグで教職に就く。

1934年 ペンシルヴァニア・アカデミー・オブ・ザ・ファイン・アーツ「第129回年次展」でテンプル・ゴールド・メダル。ロサンゼルス・カウンティ美術館展で二等賞を受賞。

1935年 グッゲンハイム奨学金を得て、アメリカ南西部とメキシコをスケッチ旅行。

1936年 ニュー・スクール・フォア・ソーシャル・リサーチで教鞭を振るう。

1939年 アン・アメリカン・グループの会長に選出される。（～1944年）
ボルチモア美術館の「6人の現存アメリカ作家展」に選ばれる。
カーネギー「第37回国際絵画展」で二等賞を受賞。

1944年 ペンシルヴァニア・アカデミー「第139回年次展」でJ・ヘンリー・シャイト記念賞、カーネギー「アメリカ合衆国絵画展」で一等賞を受賞。

1945年 終戦。アート・インスティテュート・オブ・シカゴ「第56回アメリカ絵画年次展」でノーマン・ウェイト・ハリス青銅牌を受賞。

1947年 美術家組合の初代会長に選出され、1951年まで務める。

1948年 「ルック」誌が現代アメリカの10人の画家に選出。ホイットニー美術館で現存画家として初の大回顧展を開催
シンシナティ美術館の「アン・アメリカン・ショー」に6人のアメリカ人画家の一人として出展、全米各地を巡回。

1952年 A・コールダー、E・ホッパー、S・ディヴィスとともにヴェネチア・ビエンナーレのアメリカ代表作家に選ばれる。
アメリカン・フェデレーション・オブ・アーツの委嘱で、毎日新聞社主催「第一回日本国際美術展」のアメリカ部門の作品を選考、 戦後はじめてアメリカ現代美術を日本に紹介。

1953年 5月14日、胃がんでニューヨークで死去。