買取実績

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掛軸
山本梅逸
「芦邊鶺鴒図」
- 買取地区:
- 名古屋市内
- 買取方法:
- 店頭買取
参考価格¥30,000
山本梅逸の掛軸を買取いたしました。山本梅逸(やまもと ばいいつ)は、江戸時代後期を代表する文人画家で、天明3年(1783年)、名古屋・大須の天道町に生まれました。本名は亮、後に「梅逸」の号を用いるようになります。
幼いころから画を好み、地元の絵師・山本蘭亭に学んだのち、古書画の蒐集家・神谷天遊の支援を受けて才能を伸ばしました。
親友の中林竹洞とともに京都へ赴き、明清の書画を臨模しながら文人たちと交流を重ね、画家として名が知られていきます。山水画や花鳥画を得意とし、写実の中にも詩情をたたえた穏やかな画風で高く評価されました。頼山陽との親交や、煎茶文化への関わりもあり、図案集『清娯帖』なども手がけています。
梅逸は、山水や花鳥を得意とし、写実性と詩情が調和した上品な画風を築いています。晩年は尾張藩の御用絵師となり、名古屋に戻って生涯を終えました。京都と名古屋に墓があり、その名は今も文人画の世界で親しまれています。
葦(あし・よし)は、日本の水辺や湿地に自生する多年草で、2メートルほどの背丈に成長し、秋には紫色がかった穂を風に揺らします。
漢字では「葦」「芦」「葭」「蘆」など複数の表記がありますが、いずれも同じく水辺に群生するこの植物を指します。古くから日本人の生活に身近な存在であり、茅葺(かやぶき)屋根の材料としても用いられ、簾(すだれ)や笛の素材としても重宝されてきました。
呼び名について「あし(葦)」は「悪し」に通じて縁起が悪いとして、関西圏ではこれを忌み言葉とし「良し(よし)」と呼びかえる風習があります。対して、関東ではそのまま「あし」と読まれます。
「あし」と聞けば思い浮かぶのは、17世紀フランスの思想家ブレーズ・パスカルが著書『パンセ(Pensées)』の中で述べた「人間は考える葦である」という有名な言葉です。
芦は風に吹かれればすぐに揺れ、折れやすい、細く弱い植物です。自然界においては、取るに足らない存在に見えるかもしれません。パスカルはこの「芦」に人間の肉体的な弱さや儚さを重ねました。
しかし、芦のようにか弱い存在であっても、人間には考える力があります。たとえ自然界の力には敵わず、雷や病で簡単に命を落とすとしても、「自分が弱い存在であることを自覚し、物事について考えることができる」という点で、人間は宇宙よりも尊い存在であるとパスカルは述べています。
そんなパスカルの名は、今でも私たちの日常に残っています。台風の季節になると、天気予報から「ヘクトパスカル」という言葉がよく聞こえてきます。
気圧を表すこの単位は、彼の名前に由来しています。パスカルは哲学者であると同時に、物理や数学の分野にも大きな足跡を残し、大気圧の研究でも重要な役割を果たしました。
芦が風にそよぐように、目に見えぬ力のなかで生きる私たちもまた、揺れながら考え、季節のめぐりとともに静かに歩んでいるのかもしれません。
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