買取実績

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掛軸
帆足杏雨
「夏山水図」
- 買取地区:
- 名古屋市内
- 買取方法:
- 店頭買取
参考価格¥50,000
帆足杏雨「夏山水図」の掛軸を買取いたしました。帆足杏雨は、幕末から明治時代に活躍した日本最後期の文人画家のひとりです。
杏雨は、最も正しく田能村竹田の系譜を受け継いだ門人とされていますが、その一方、中国画学習を深めて画技を進めていく中で、杏雨独自の画風を確立しました。
帆足杏雨(ほあし きょうう)は、1810年、豊後国大分郡臼杵藩領戸次市村(現:大分市)に、代々酒造を営む庄屋の四男として生まれます。
帆足家は、江戸期を通じて臼杵藩戸次市組の大庄屋を務めた領内有数の豪農で、庄屋としての公務の傍ら、造酒業で家産を成していました。
父・統度と長兄は、俳諧をたしなみ書画の収蔵家で知られていました。帆足家は、当時の地方文化の担い手としての役割を持っており、一族で風流に親しみ、多くの書画を所蔵していました。生家は現在も「帆足本家 富春館」として残っています。
田能村竹田は、京都、大坂に向かう旅の途中に決まって富春館を訪れており、幼い杏雨は竹田と接して絵を描いていました。杏雨は幼少の頃から画を好み、教養人に囲まれた高い文化的環境に育ちました。
1824年15歳の時、正式に竹田の画塾・竹田荘に入門して画技を学び、浦上春琴の教えも受けます。共に画を志した中には、高橋草坪、平野五岳らもいました。
また日田の広瀬淡窓、日出の帆足万里について学び、頼山陽、篠崎小竹らの当時第一級の文人達と交わる中で、幕末から明治期にかけて画名が高まっていきました。
1828年に咸宜園を出て初めて京坂に遊び、大阪では兄弟子の草坪と同宿していました。また頼山陽、篠崎小竹、浦上春琴らとも交遊し、草坪とともに刺激的な日々を過ごしています。
1830年、21歳の時に竹田に伴われ、京都から豊前の雲華院大含を訪ねて墨竹図を学びます。翌年3月頃になると、京都の医師・小石元瑞の用拙居のところに一時的に身を寄せ、貫名海屋や岡田半江、中林竹洞らと出会いました。
1835年に竹田が大阪で亡くなり、杏雨は奔走して竹田の遺稿をまとめた『自画題語』を刊行します。この頃から、さらに中国画学習を深めるようになります。
杏雨は、竹田の画風を徹底的に倣って画を描いていましたが、明や清の中国絵画を学習する中で、自己の画法を大きく進展させて急速に師風を脱していきます。
1838年、九州各地を遊歴して、長崎では鉄翁祖門・木下逸雲・中国清代の画人・陳逸舟らと画論を交えました。杏雨は表立って国事に奔走することはありませんでしたが、勤王の志士で、後に初代岩手県知事となる甥の島惟精(しま いせい)や、美濃大垣藩家老・小原鉄心など尊皇攘夷思想を持つ人物と交流しています。
弘化期になると、杏雨独自の画法が定着していきます。50歳以降になると、雅意に満ちた独自の様式を確立しました。
1873年、ウィーン万国博覧会に作品を出品し、幕末明治期の代表的な文人画家として成長を遂げます。
1877年、68歳の時に薩軍が梓峠へ侵攻してきた当時に製作した紙本淡彩の山水幅「梓嶺図」(文人画研究会蔵)が現存しており、西南戦争の進路を裏付ける史料となっています。
70歳の冬に右目を失明するも画作を続け、1884年に75歳で亡くなりました。
杏雨は、豊後の南画家たちに影響を与えましたが、杏雨に直接学んだ画人は少なく、本格的に画人としての人生を送った者の多くは10歳代半ばのわずかな期間に杏雨の最晩年に学んだけと言われています。
県内の主な門人としては、加納雨篷、甲斐虎山、首藤白陽、阿部梅處らがいます。杏雨の影響を受けた画人は多く、大分の文人画(豊後南画)の盛況にもっとも貢献した一人でした。
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