買取実績

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掛軸
小室翠雲
「若竹俳画」
- 買取地区:
- 名古屋市内
- 買取方法:
- 店頭買取
参考価格¥5,000
小室翠雲の掛軸を買取いたしました。小室翠雲は、明治から昭和期の画家です。主に、同時代における南画壇の重鎮として活動しました。
共箱には「若竹俳画」とあります。その年に生長した若竹は、色合いが美しく、瑞々しさがありますが、まだ芯が細くてどことなく頼りない感じもよく描かれています。
『竹植えて 今宵小富の 自見かな』
翠雲が自分で植えた竹を夕べに眺め、ささやかな幸せを感じているのでしょうか。
小室翠雲(こむろ すいうん)は、1874年に栃木県館林町(現:群馬県館林市)に、呉服商・小室牧三郎の長男として生まれました。
館林藩御用達商人をつとめていた小室家から分家した父・牧三郎は、風流を好み、文人墨客との交友が多くありました。また、足利に住む田崎草雲に作画を学び、渓村と号して画を描いている画人でもありました。
翠雲は、幼い頃から善導寺の僧・満成や、館林藩儒者・田中惺斎に漢字と書法を、近隣に住んでいた岡戸仙渓や岸浪柳渓に画技の初歩を学びます。
13歳の時に小学校中等科を中退して上京し、印刷見習工として働きましたが、1年ほどで帰郷します。家業を継ぐことは考えておらず、父に猛反対されながらも、画家になることを決意しました。
1889年、15歳の時から田崎草雲に入門して南画を学び、草雲から「翠雲」の号を与えられます。
1899年に師・草雲が亡くなり、翌年上京して本郷の俳人・荒井閑窓の別荘に留守居番として寄寓します。翠雲は特定の師につかず、独学で中国画を学びました。
貧しい生活でしたが、石版の下絵描きや地方廻りの画会などで収入を得て、精力的に中央画壇との接触を図っていました。
1907年の第1回の文展開催にあたり、審査員の人選に不服を表します。高島北海、望月金鳳、荒木十畝、佐久間鉄園、山岡米華、田中頼嶂、益頭峻南らとともに、正派同志会を組織して、日本画の革新を目指していた横山大観ら新派の国画玉成会に対抗しました。
文展には翌第2回展より出品し、第5回展まで連続して3等賞を受賞、第7回展出品の「寒林幽居」(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)が宮内庁買い上げとなり、審査員をつとめるなど文展での地位を確立していきました。
1921年、日本南画院の創設に参加し、明治中頃より没落傾向にあった南画文化復権のため活動します。
その後、田近竹邨らの中心人物が相次いで亡くなったため、翠雲が会の中心的存在となります。1924年には南画家としては富岡鉄斎についで帝国美術院会員に推挙されました。翠雲は、現代南画への橋渡しのような役割を担っていました。
1931年、ベルリン日本画展に際して渡欧し、その滞欧作を日本南画院10回展に陳列しました。
1935年に日本南画院が解散したため、それぞれの私塾が合併し、1941年に翠雲が代表となった大東南宗院が設立されます。同年に群馬県美術協会が設立され、初代会長に就任します。
1944年、70歳の時に帝室技芸員に推挙された翌年に70歳で亡くなりました。
江戸時代に広く大衆に愛好された南画ですが、明治中頃より「つくね芋山水」とフェノロサに揶揄されて排撃にあいます。
翠雲は南画の復権と、社会的地位の向上を目指し、広い展覧会会場でも充分に鑑賞に耐えることのできる大作を発表し、日本南画院に参加するなど組織的な活動を積極的に行いました。
明治末頃には西洋的な価値観によって再び見直され、新しい南画を模索する動きが起こります。
南画をとりまく厳しい情勢の中で、保守的な「旧派」の代表とされる翠雲ですが、伝統的な南画を基礎に、油彩画や新派の日本画の写実性を取り込むことを試みました。
日本美術の伝統を切り捨てようとする改革運動に対抗しながら、伝統に甘んずることなく新たな表現を追求していた翠雲の作品は、他の画家たちに多大な影響を与えました。
北岡技芳堂では、小室翠雲などをはじめとする南画家の作品の査定、買取を行っております。ご不明な点などございましたら、お気軽にご連絡ください。
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