日本画家・西村光人の「富嶽」を買取いたしました。富士山や近江舞子の湖畔など、特に風景画を得意としている作家で、現在は京都宇治にて制作をしています。もくもくと雲が湧いた中から雄麗な姿を捉えていますね。

西村光人（にしむら こうじん）は、1983年に山口華楊の日本画画塾である晨鳥社（しんちょうしゃ）に入塾し、師事します。晨鳥社は、京都出身の日本画家・西村五雲の志を受け継いだ山口華楊を中心に、猪原大華、中路融人、岩倉壽らが集まり1938年11月6日に設立されました。京都画壇の写生重視の精神を大切に、日々研究制作に取り組んでいます。

富士山は昔から信仰の対象であるとともに、芸術の源泉として日本人の自然観や日本文化に大きな影響を与え、多くの画家が描いてきました。

絵画として現存する最古の富士山は、平安時代後期に描かれた『聖徳太子絵伝』といわれています。甲斐の黒駒に乗った聖徳太子が、天空を富士山頂へと駆け上がる様子が描かれています。

平安時代から室町時代には、頂上を三つの峰に分け、山頂が白く冠雪した状態で描かれた三峰型が富士山を描く一つの型となっていたそうです。

江戸時代になると東海道での往来が盛んになり、司馬江漢などの多くの画家が実景に基づく富士山を描くようになりました。有名なところでは、葛飾北斎の『冨嶽三十六景』や、歌川広重の『不二三十六景』『東海道五拾三次』などがあります。

これらの作品は海外にも広く知られるようになり、ゴッホやモネなど印象派の画家たちに影響を与えました。近代日本画においては、横山大観が生涯で千点以上の富士山の絵画を残しています。

かつては噴火を繰り返すために、神が宿る山として畏れられていた富士山ですが、富士講と呼ばれる信仰集団や浮世絵の登場などにより、日本人にとっては身近な存在となりました。

以前、富士山が目の前に見えるお客様のお宅へお伺いしたことがありました。それはもうすごい迫力で、毎日こんなにも近くに富士山を見ることができて素晴らしいですねとお話をしておりましたら「長い間ここで生活しているので日常の風景です」と仰ってみえたことをふと思い出しました。

私共が富士山を見る機会は仕事で東京へ向かう新幹線の中からが多いのですが、普段は富士山を意識していなくても、なぜかその姿を捉えたときには僅かな時間でも見入ってしまいますので不思議ですね。人と自然が信仰や芸術を通して共生する姿は、富士山が持つ特徴の一つかもしれません。

【西村光人・略歴】

1942年　滋賀県大津市に生まれる

1976年　京展 全関西展 初入選

1978年　日春展 初入選

1979年　日展 初入選

1980年　京都美術展 初入選

1981年　日春展 出品作品 外務省買上

1983年　晨鳥社に入塾、以後山口華陽に師事　

1985年　京都美術工芸選抜展 推挙出品（京都府買上）

1991年　晨鳥社 塾展「知事新人賞」受賞

1992年　日展 会友に推挙

1993年　日春展「奨励賞」 受賞

1994年　全関西展「読売賞」受賞

1997年　京展「市長賞」受賞

1999年　晨鳥社塾展「知事賞」受賞

その他、個展・グループ展等にも数多く出品
日展会友・晨鳥社会員

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

北岡技芳堂では、絵画、掛軸、骨董品、刀剣類などの美術品全般を幅広く取り扱っております。
売却をご検討なさっているお客様や、ご実家のお片付けや相続などでご整理をされているお客様のご相談を承ります。
遺産相続に伴う評価書作成も行っております。

何から始めたらよいのか分からない場合も多いことと存じますので、
ご不明なことなどございましたら、まずはお気軽にご連絡くださいませ。
愛知県、三重県、岐阜県、静岡県を中心に、全国への出張買取も行っております。

【北岡技芳堂 名古屋店】
460-0018
愛知県名古屋市中区門前町2-10
電話：0120-853-860
営業時間：10時〜18時
定休日：日曜（出張が多いため、ご来店の際はご予約をお願いいたします）

＃骨董品買取＃骨董品＃古美術＃絵画＃版画＃茶道具＃陶芸品＃日本刀＃彫刻＃金＃掛軸＃現代アート