買取実績

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古伊万里染付「束芹文輪花皿」

骨董品

古伊万里染付
束芹文輪花皿

買取地区:
春日井市
買取方法:
店頭買取

買取価格¥30,000

古伊万里染付のお皿を10脚、買取いたしました。こちらは1700年代頃に作られたものと思われます。1枚は難点がありましたが、他のお皿はきれいな状態でした。300年以上も経っているのに割れずに残っているなんて、きっと今まで大切にしてもらってきたのでしょう。春の七草の一つであるセリが、一色の青で濃淡をつけ描かれています。余白も多いのでお料理の邪魔をせず、またちょうど使いやすいサイズのため、おかずを盛ったり取り皿にしてみたり、普段使いできそうなお皿です。

明治期以降から、大量生産を目的に新たな技法として印判が導入されましたが、こちらのお皿の絵柄は全て職人の手書きです。プリントとは異なり、絵柄は同じようで少しずつ違ったりします。濃淡や、柔らかい線や力強い線など、描き手によって異なる表現が楽しめるのも手書きならではの魅力です。

江戸時代初期の1616(元和2)年、 現在の佐賀県有田で日本初の磁器が誕生します。豊臣秀吉による文禄・慶長の役(1592~1598)の際に渡来した朝鮮陶工が有田の泉山で磁器の原料となる良質な陶石を発見したことにより、日本で初めて磁器の焼成に成功しました。当初の作品は初期伊万里と呼ばれ、藍一色で描かれた染付が中心でした。素焼きを行わなず釉薬をかけて焼成するため、素地は厚く歪みや釉薬のムラもありますが、素朴な味わいを感じることができます。

有田及びその周辺で焼かれた磁器は、伊万里港から積み出しされていたので「伊万里焼」と呼ばれるようになりました。有田で開花し、国内へ流通し始めた伊万里焼は、その後海外へも出荷されていきます。その頃、日本は鎖国下にありましたが、貿易が許されていた長崎では中国船とオランダ船が出入りしていました。伊万里焼は、1647(正保4)年に中国船によりカンボジアへ運ばれており、それが日本磁器の輸出の最初とされています。

ヨーロッパの王侯貴族は伊万里焼を宮殿に飾っていたそうですが、その頃ヨーロッパでは磁器を作ることができなかったそうです。そのため、東洋から運ばれた伊万里焼は宝石のように美しく、また入手も困難だったため、実用品としてのほか、富や権力の象徴として競って邸宅に飾られていました。

それよりも昔、ヨーロッパや東南アジアでは、中国磁器が贅沢品として流通していました。しかし、明・清王朝交代の内乱により、磁器の生産は衰えて輸出も途絶えていきます。ヨーロッパでは磁器の生産がされていなかったため、他からの入手が求められており、中国磁器の貿易を盛んに行っていたオランダ東インド会社は危機に直面します。ちょうどその頃、有田で磁器の製作技術は向上し、生産が活発化していました。そこで有田磁器の情報を得たオランダ東インド会社は、 伊万里焼に目をつけ、日本との輸出契約を結びました。オランダ船が伊万里焼を載せて長崎・出島を出港したのは1659(万治2)年のことでした。

ここから伊万里焼の本格的なヨーロッパへの輸出が始まります。 出島を出港し、拠点のジャカルタのバタビアへ、そしてインド洋を横断し南アフリカのケープタウン経由で、大西洋を北上し本国のオランダへ、往復に2年近い年月を要する大航海だったそうです。

こうして、古伊万里は江戸時代約100年間にわたり、東南アジアやヨーロッパに大量に輸出され、王侯貴族たちをも虜にしました。17世紀後半から18世紀前半にかけて、記録に残っているだけでも200万個以上が運ばれたそうです。17世紀末には中国が輸出を再開し、18世紀前半にはヨーロッパでもマイセンなどで磁器が作られるようになり、18世紀後半にはほとんど輸出されなくなりました。

伊万里焼の公式貿易終了後からは、国内向けの生産に主力をおくこととなります。大名や公家、豪商などの富裕層から中級層にも、高級品としてだけではなく、実用品として多種多様の形と文様の食器が増加し浸透していきました。

種類も蓋物、鉢、瓶、碗、向付、蕎麦猪口、小皿など様々あり、模様も蛸唐草、花唐草、みじん唐草など、人気の文様がたくさんあります。歴史あるお宅へお伺いした際には、信じられないくらい数多くのお皿や大皿などをお持ちのことが多いです。冠婚葬祭や祭りなどでご自宅に人々が多く集まる時には、たくさんの料理が盛り付けられて大活躍していたのかなと、当時の様子が思い浮かんでまいります。

朝鮮伝来の製磁技術と、それまで日本国内でも珍重されていた中国磁器の染付、文様の影響を受けて誕生した有田焼ですが、当時の陶工たちの優れた感性とひたむきな努力によって品質は向上していきました。豊富な文様や形があり、扱いやすいことからも老若男女問わず愛さています。

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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。

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