買取実績

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田辺三重松「樽前山」

油彩画

田辺三重松
「樽前山」

買取地区:
名古屋市内
買取方法:
店頭買取

買取価格¥30,000

田辺三重松の「樽前山」を買取いたしました。故郷である北海道の自然を中心とした作品を描いた、日本を代表する風景画家の一人です。北海道の風景や函館の街などをモチーフとした作品も多く、郷里の文化興隆への貢献から、北海道文化賞や北海度開発功労賞を受賞しています。風景画も多いのですが、薔薇は特に人気があり、買取の際も評価が高い傾向にあります。制作年代にもよりますので、ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

田辺三重松は1897年、北海道函館の呉服店に生まれます。商人としての道を歩むために、函館商業学校へ進学しました。絵画に関心を抱いたのは、1913年、在学中の16歳の頃です。当時、図画の教科を担当していたのは、四条派の正統的な日本画家として地元でも著名な北條玉洞でした。在学中は「オーロラ画会」と名付けられたクラブ活動の美術部が創設され、積極的に参加しました。生徒の作品は多くが水彩の風景画やデッサンで、校内において展覧会を行なっていましたが、三重松が卒業する頃には市街の会場を借りて開催するようになります。絵に情熱を注ぎ出したのはオーロラ画会のメンバーと互いに刺激しあいながら水彩画を描いていた頃からだと、後に三重松はふり返っています。

北条玉洞に絵を学んで以来、画家の道を志して美術学校への進学を希望しますが、母親の強い反対にあい断念します。1916年に卒業後は家業の呉服商を継ぎますが、独学で絵画の勉強を続けていました。家業が廃業となると、函館市立新川小学校の教員として働きます。

大正末期、函館で「アンボール展」という大規模な展覧会を東京の画商石原龍一が開催した際に、当時巨匠として名を馳せていた安井曾太郎、梅原龍三郎をはじめとする中堅画家たちの作品も多数出品されていました。その時に仕事を手伝った三重松の絵を石原が見て、東京の展覧会への出品をすすめられたことが二科展出品のきっかけとなり、1928年に出品した作品2点が初入選します。また道展にも入選し、長官賞を受けました。この頃に家業が廃業となり、函館市立新川小学校の教員として働きます。

二科展への出品作は入選を重ね、1936年には次の年からは無審査で出品できる特別待遇「特待」を獲得し会友として推薦され、全国的にも画家として認められ、知名度があがるようになりました。さらに安井曾太郎と児島善三郎から、光の反発へ眼を向けることや、物質感、色彩感を出すことなどを教えてもらい、知遇を得ました。

1944年秋、二科会は解散となりますが、戦後まもなく旧二科会のメンバーで構成された行動美術協会がスタートし、向井潤吉らと行動美術協会の設立に関わります。

三重松は、芸術というものは東京のように中央だけにあるものではなく、むしろ地方にその土地独自の文化があり、郷土から生まれてくる作品こそが本物である、という考えを大切にしており、函館の街とその周辺の風景には特別な愛着を持っていました。行動美術協会は、東京中心のものではなく地方の文化向上を目的とし、東京のほか関西と北海道にも事務所を置くというもので、三重松の理想とするところとも合致していました。また北海道でも、新たに結成された全道美術協会の創立会員として美術界をリードし、以後は没するまで両会に出品を続けました。

1946年、長年の教員生活を辞め、画家として活動範囲を広げることができるようになり、表現にも独自の世界が展開されていきます。創作活動はますます活発になり、個展は道内各地で開かれ、1952年に初めて大坂でも開催されました。これまでと変わらず、毎年の各種展覧会にも出品を続け、地元では後輩への指導や助言にも熱心に当たり、函館の美術界におけるかけがえのない存在となっていきました。

1963年渡欧し、北欧のフィヨルドやスイスの山岳など寒冷地の風景をその後数年にわたって発表します。1967年に写生旅行や制作への過度の熱中から、大雪山残雪をスケッチ中に突然右眼を失明、網膜剥離と診断されましたが、その後も制作を続けました。生涯を通じて、故郷北海道の風景をはじめとした雄大な自然を題材に、大胆な形態把握と鮮やかな色彩で描き、独自の風景画を確立しました。

 

【田辺三重松 略歴】

1897年 函館生まれ

1926年 道展会員(’45退会)

1928年 「荷揚げ場」「花草」の二点が二科展(15回)に初入選

1934年 函館大火により三重松のアトリエは類焼し、多くの初期の作品が失われた

1935年 二科展特待となる

1938年 二科会会友に推される

1939年 大陸前線部隊報道班からの依頼により、野戦絵画展覧会に特別出品する

1943年 二科会会員に推挙される、北部軍報道部員として北千島派遣部隊に従軍し、新聞紙上に北方通信を連載する

1945年 行動美術協会創立に参加、全北海道美術協会創設に参画

1949年 北海道文化賞を受賞

1950年 北海道新聞文化賞を受賞

1956年 厚生省の依頼により国立公園「夏の中禅寺湖」を制作

1957年 函館市より東京練馬区に転居

1960年 「昭和新山」文部省買上げ

1963年 国際具象派展に出品、6月~12月アメリカを経てヨーロッパへ旅行

1967年 網膜剥離症を病み右眼失明

1970年 東京銀座彩壺堂において個展を開催

1971年 北海道功労賞、2月9日心臓発作で逝去、享年74歳

 

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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。

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