買取実績
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掛軸
村田香谷
「蘇公赤壁図」
- 買取地区:
- 名古屋市内
- 買取方法:
- 店頭買取
買取価格¥30,000
幕末から明治時代に関西で活躍した文人画家、村田香谷(むらた こうこく)の掛軸を買取いたしました。関西南画界の重鎮ということもあり、作品全体における描写の細かさや的確さには目を見張るものがあります。
天保2年(1831年)筑前に生まれ、南画家・村田東圃の養子となります。名は叔、別号に蘭雪、適圃など。村田東圃は天保の頃に筑前の四大画家と呼ばれていたということもあり、香谷は南画界のサラブレッドで、早くから英才教育も受けていました。父に画の手ほどきを受け、弘化3年京都に上り貫名海屋に師事して南画を学び、梁川星厳に詩を学びました。
安政元年に長崎に遊学し、鉄翁祖門に入門、木下逸雲、徐雨亭らにも教えを受けます。当時渡来していた清朝の絵描きとも交流しました。明治維新後は中国に三度渡り、実見した中国絵画の名手たちに倣いながらも、濃厚な色彩とうねるような筆致の作風を生み出しました。
明治15年に第1回内国絵画共進会で「集古名書画式」が絵事著述褒状、17年同第2回で「山水」「花卉」が褒状、23年内国勧業博で「蕉石美人図」が妙技3等賞を受賞します。明治30年に猪瀬東寧・川村雨谷・中島杉陰・菅原白龍・石井鼎湖・山岡米華ら20余名が日本南画会を結成、香谷も参加し同年大阪に移ります。
大阪南宗画会主催の全国南画共進会で2等賞、36年内国勧業博では「米法浅絳山水」が褒状となりました。出品する作品は次々と入選、関西随一の名人としての地位を確立していきます。高橋草坪の『集古名公画式』を補訂・刊行したことなどでも知られています。晩年は大阪に住み、関西南画界の重鎮として活躍を続け、大正元年に82歳で亡くなりました。
村田香谷は、明治・大正時代に住友グループの基礎を築いた15代当主、住友春翠(すみともしゅんすい)が、作品のほとんどを買い上げるほど重宝し、親交した画家でもありました。
香谷は中国に何度も行った経験を持つため、住友家が贔屓にしました。当主は自ら中国に行くことができなかったので、香谷に画材を買ってきてもらったり、画家を通して知識を得ていました。絵は住友家に気に入られて購入、所有されていたため、多くの作品が世に出なかったといわれています。春翠がひらいた文芸サロンでも、香谷は中心的存在でした。
組織を作らず、個々の画家がパトロンの求めに応じてと直接交流して絵を描いた大阪では、東京や京都とは異なる文化圏を形成し、個性的で優れた芸術文化を育んできました。歴史的背景なども踏まえて作品を見るのも、また楽しいものかもしれませんね。
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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。
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