買取実績

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宮崎進「鏡のなかの女」

絵画

宮崎進
「鏡のなかの女」

買取地区:
名古屋市内
買取方法:
店頭買取

参考価格¥35,000

宮崎進の油彩画「鏡のなかの女」を買取いたしました。鏡をテーマにした作品は何点もありますが、具象に留まることのない内面描写を感じます。

宮崎は、20代の頃の4年にわたるシベリア抑留を経て、昭和24年に帰国、その後画家として活動を開始し、常に内面的な心象風景を制作してきました。多彩な手法を駆使し、独自の世界を築き上げて日本の戦後美術史に足跡を残した作家の一人です。

宮崎進(みやざき しん)は、1922年に山口県徳山市(現、周南市)に生まれました。3、4歳頃から、紙切れさえあれば夜遅くまで何か描いているような子供でした。

1935年に岸田劉生の画友であった徳山在住の洋画家・前田麦二の指導を受け、油彩画を学びます。1938年に上京して本郷絵画研究所に入り、翌年に日本美術学校油絵科へ入学して大久保作次郎、林武らの指導を受けました。

1942年、同校を繰り上げ卒業して応召し、外地勤務を希望してソ満国境守備隊に所属します。

1945年8月に東北満州の鏡泊湖付近に野営中に終戦を迎え、ソ連軍によって武装解除、同年12月にシベリア鉄道にて移送されました。

1949年12月に抑留を解かれますが、多くの仲間を失い、喜ぶ気持ちになれなかったといいます。宮崎は4年間のシベリア抑留について、下記のように記しています。

「ここにあった絶望こそ、私に何かを目覚めさせるきっかけとなった。
生死を超えるこの世界で知った、人間を人間たらしめている根源的な力こそ、私をつき動かすものである」

『鳥のように シベリア 記憶の大地』宮崎進 岩波書店 2007年 

帰国後、画家として本格的な活動をスタートさせました。1951年に上京して雑誌のカットなどを描き、1956年には寺内萬治郎に師事し、光風会展と日展に出品します。以後、これら二つの団体展に出品を続けます。

少年時代の思い出をベースにした作品や、北海道や東北を放浪して風景を描いたり、芝居小屋やサーカスがモチーフの「旅芸人シリーズ」を発表しました。

1972年に渡仏し、1974年までパリを拠点にオーストリア、スイス、ノルウェー、ドイツ、イタリア、スペイン、ポルトガル、チェコスロバキアなどを巡遊します。この渡欧では多くの西洋美術作品に触れて、人体や光の表現について捉えなおす契機となりました。

1977年に無所属となり、以後は個展やグループ展で作品を発表していきます。

1979年、ソ連各地を旅行しました。風景画や抑留を主題とする作品は50年代から継続的に描かれていましたが、80年頃からは主要なテーマとなり、多様な材料を用いた重厚なマチエールの作品を制作します。

90年代には、過酷な抑留生活の記憶の象徴として、麻布や新聞紙を用いた絵画を手がけ、人間や生命に対する強い感情を表現しました。

2004年、82歳の時には現代美術の祭典サンパウロビエンナーレの日本代表にも選ばれます。2018年、心不全のため96歳で亡くなりました。

郷里の周南市美術博物館には、初期から晩年までの200点を超える作品が収蔵されており、宮崎は09年4月から亡くなるまで名誉館長を務めました。

望郷、飢え、寒さ、重労働などの極限の絶望の中で、創造力に希望を見いだして生きてきました。その宮﨑の創作の根底には、創造する喜びや命の輝き、シベリアでの体験があります。耐え難い体験を生きる希望へと昇華させるまでは、壮絶な道のりだったことと思います。

北岡技芳堂では、宮崎進の作品の査定、買取を行っております。どのようなことでも、お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

【略歴 】

1922年  
山口県徳山市に生まれる

1938年  
上京して本郷絵画研究所に通う
翌年日本美術学校油絵科に入学

1942年  
日本美術学校卒業後に広島市の西武2部隊に入隊
後ソ満国境守備隊395に所属

1945年
49年までシベリアの収容所に収容される

1957年 
光風会第43回展に『静物』を出品(1972年まで出品)

1965年 
銀座の資生堂ギャラリーで第1回個展

1967年 
『見世物芸人』で第10回安井賞受賞

1972年 
74年までパリに滞在

1981年 
多摩美術大学油絵科教授となる(1992年まで)

1986年 
池田220世紀美術館で『宮崎進の世界展』開催
求龍堂から『宮崎進画集1953-1986』出版

1989年 
池袋の西部アートフォーラムで『湧現する内なる風景 宮崎進展』開催

1994年 
下関市立美術館、笠間日動美術館、平塚市美術館、三重県立美術館、新潟市美術館で『宮崎進展』開催

1995年 
第10回小山敬三美術賞受賞
2018年5月16日、心不全のため死去 享年96

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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、
掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。

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