買取実績
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掛軸
有島生馬
「秋果図」
- 買取地区:
- 春日井市
- 買取方法:
- 店頭買取
有島生馬「秋果図」の掛軸を買取いたしました。雑誌『白樺』でセザンヌを日本に初めて紹介するなど、近代日本洋画界に大きな足跡を残したことでも知られている画家ですね。
有島生馬(ありしま いくま)は、大蔵省関税局長兼横浜税関長をしていた有島武と妻・幸の次男として、横浜月岡町(現・横浜市老松町)で生まれました。
本名は干支から壬生馬(みぶま)と名付けられましたが、難読のため、後に生馬に改称しました。別号は雨東生、十月亭などがあります。
父の職業や横浜という土地柄から多くの外国人との交流があり、兄姉とともに洋学教育を受けました。その一方で、両親とも武家出身であったことから和洋混載の環境で育ちます。
1896年、14歳の時に東京府東京市麹町区(現東京都千代田区)に移り住みますが、1900年、中等科4年のときに肋膜炎を患い、学習院を中退して父の郷里である鹿児島県平佐村(現・薩摩川内市)で転地療養をしました。
この時、近所の書店で見つけた『近松研究』を読んだことから近松門左衛門など日本の古典文学に夢中になり、また、当地で出会った日本人神父から見せられたローマの宗教美術からイタリアで絵を学びたいと考えるようになります。
1901年、一年の療養を終えて東京外国語学校のイタリア語科に入学します。1903年には小山内薫の紹介で、かねてより傾倒していた詩人・島崎藤村を訪ねた際には、ピサロの絵を初めて見せられ衝撃を受けました。
大学卒業後は藤島武二に入門します。1905年、23歳の時にイタリアへ留学、その後パリでセザンヌ回顧展を見て深い感銘を受け、以降印象派風の作品を描きました。
1910年、28歳で帰国し「白樺」に『画家ポール・セザンヌ』を連載しますが、これは後の在野団体創設への起点となります。
その後、梅原龍三郎や安井曾太郎らが相次いで欧州留学から帰国しますが、彼らによって官展の旧態依然とした審査への不満が高まっていきます。
そのような中、1914年に有島生馬、梅原龍三郎らによって初の在野団体である二科会が創設されました。
生馬は帰国後、東京麹町に住んでいましたが、自宅には二科会の東郷青児、山口長男、吉井淳二、独立美術協会の海老原喜之助らなど多くの画家が訪れました。
また児島善三郎、中山巍、田崎廣助、高田誠、小山敬三ら主義主張も会派も違うものたちも集まり、アカデミズムからの解放や、自由な表現活動を求めて論議し、展覧会も開催していました。
麹町は文人町とも呼ばれており、かつては藤田嗣治、島崎藤村、初代中村吉右衛門、泉鏡花、有島武郎、里見弴、菊池寛、武田鱗太郎、与謝野晶子・寛夫妻、網野菊、串田孫一、川喜田半泥子など、明治から昭和にかけて多くの作家や文学者たちが住んでいました。
1920年、38歳の時に肺尖を病み、鎌倉極楽寺村(現鎌倉市稲村ケ崎)の新渡戸稲造の別荘に静養のため引越しをします。
この別荘近くには、1890年にイタリアの生糸貿易商・ヴィヴァンティが建てた空き家となっていた洋館がありました。生馬は廃屋同然になっていたこの洋館を気に入り、1921年に購入して転居します。
松が群生していたので「松の屋敷」と呼ばれ、二科会、一水会、黒門会等の日本近代洋画の活動拠点となり、山下新太郎、石井柏亭、与謝野寛・晶子夫妻、遠藤周作等の大正・昭和の多くの文学者や芸術家たちが訪れたそうです。
戦時中は東郷青児らと長野県へ疎開しましたが、亡くなるまでの約50年余りを松の屋敷で過ごしました。
1935年、帝国美術会員となり二科会を脱退、翌年に一水会を創設します。その後は日展審査員・理事なども歴任し、また日本ペンクラブ創設されたときには、外国語に堪能であったこともあり、会長・島崎藤村のもとで副会長をつとめました。
長年の功績が認められ、1964年に文化功労者を受賞します。著書も多く、広い知識と洗練された紳士的態度、活動的な性格から様々な方面で活躍しました。確かな鑑賞眼と経済的に恵まれていたことから、関根正二や長谷川利行などの後進を援助し指導をしました。
1972年5月に「さつきくもり」を最後に絵筆を置き、1974年に91歳で亡くなりました。
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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。
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