買取実績

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エミール・ガレ「果実文壷」

ガラス

エミール・ガレ
「果実文壷」

買取地区:
岐阜県
買取方法:
出張買取

買取価格¥250,000

エミール・ガレは19世紀後半のアール・ヌーヴォーを代表するフランスの工芸家です。ガラス工芸をはじめ、陶器や家具など幅広い分野の工芸作品を生み出し、今なお国際的な評価を得ています。草花、昆虫など をモチーフにした美しい曲線と鮮やかな色彩が特徴のガラス作品は日本でも人気が高く、百貨店などでもよく展覧会が開催されております。エミール・ガレは、カトリックの父シャルル・ガレ(1818-1902)とプロテスタントの母ファニー・レーヌメール(1825-1891)との間に1846年5月4日、フランス北東部のナンシーで生まれました。母親の影響でガレはプロテスタンティスム的環境のなかで育てられました。父シャルルはナンシーを拠点とし、各地の製造所に委託して自社製品を仕上げていきました。1854年以来、ナポレオンⅢ世のいくつかの宮殿に食器を収め、1866年には名誉ある「ナポレオンⅢ世御用商人」の勅許状を得ています。エミール・ガレは1863年から父を手伝い、陶器のデザインを始めます。後に父が営む高級ガラス陶器の製造卸販売業を引き継ぎ、ガラス、陶器、家具において独自の世界観を展開して輝かしい成功を収めました。

1858年から1864年までナンシー帝国 リセ(高等中学校)で学び、修辞学、哲学、フランス語、ラテン語、ギリシャ語、歴史学といった人文系の学問に優れた成績を修めました。植物学にも没頭し、フランスの植物学の権威ドミニク=アレクサンドル・ゴドロンの指導も受けたことがあったようです。また、リセ就学時代にナンシーの美術学校教授が主催するデッサン教室にも通っていました。1864年にバカロレア(大学入学資格)を取得した後の1865年秋~1967年までドイツのヴァイマールに留学し、ドイツ語や鉱物学を学び、フランツ・リストの弟子からピアノの個人レッスンも受けました。

欧米でのジャポニスムのきっかけとなったことでも知られる1867年のパリ万博では、父シャルルを手伝うために半年間パリに滞在します。ガレ父子の家業が繁栄した1850年代後半から1900年頃は、まさに万国博覧会の時代でした。1878年、1889年、1900年にはパリ万博という国際的な大舞台で新作を発表し、数多くの賞を獲得します。特に1889年万博以降は社交界とも繋がりを深め、フランスを代表する工芸家として国際的な評価を得てその名を広めていきました。晩年の1901年には、様々なジャンルにわたるナンシーの芸術家たち36名とともに「ナンシー派(産業芸術地方同盟)」を結成し、初代会長も務めています。しかし、彼自身が知人への書簡で訴えていたように、その成功によってもたらされた社会的ジレンマや、彼にのしかかる重圧は想像を絶するものだったと言います。1900年の万博のわずか4年後の1904年9月23日、58歳で白血病によりナンシーの自宅で亡くなりました。

エミール・ガレは自然をモチーフとした作品を手掛けるだけでなく、植物学者としても活動しました。彼の植物に対する深い関心は、田園や森林をこよなく愛した母ファニーの影響を受けています。「私たちの根源は森の奥深くにある」と彼は語りました。オランダの生物学者ユゴー・ド・フリースが「突然変異」の存在を1901年に発表する以前から、ランの交配を通して認識していた数少ない植物学者でもありました。

日本の美に影響を受け、花や昆虫な然を題材に深い精神性を表現したガレは、ガラス工芸を芸術の域へ高めたと言われます。可憐でありながら生命力に溢れるガレの作品は、多くのコレクターから愛され続けています。2024年はエミール・ガレの没後120年となります。全国で様々な展覧会が開催されておりますので、みなさまもぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

【エミール・ガレ 年譜】
1846年 フランスロレーヌ地方ナンシーで誕生
1858年 ナンシー帝立高等中学校(帝国リセ)入学
1865年 高等学校を修了し、ワイマールへ留学、ドイツ語とデザインなどを学ぶ
1867年 サン・クレマン製陶工場のアトリエでデザイナーとして仕事を開始
1870年 プロシアとフランスの普仏戦争が勃発、第23戦列歩兵部隊に入隊
1875年 アンリエット・グリムと結婚
1877年 父の会社の経営を引き継ぐ
1878年 第三回パリ万国博覧会で独自に開発した’月光色’ガラスや陶器などを出品、銀、銅のメダルを受賞
1884年 装飾美術中央連盟展に出品、金賞受賞
1886年 ナンシーの自宅に近いガレンヌ通り27番に建設した工房で家具工房を創設
1889年 パリ万国博覧会に陶器、ガラス、家具を出品し、ガラス部門でグランプリ、陶器部門で金メダル、家具部門で銀賞を受賞し、装飾工芸家として国際的な評価を得る
1894年 ガラス製造のための本格的な炉の備わった工場を完成させる
1900年 パリ万博に大量のガラス器、家具を出品、再びグランプリを獲得して評価を不動のものとする
1901年 ナンシー派(芸術産業地方同盟)を設立、会長に就任
1904年 9月23日に白血病で死去、享年58歳。

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※買取価格は制作年、作風、状態などにより相場が変動いたしますので、掲載されている金額は、ある程度の目安としてご参考にしていただけますと幸いでございます。

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